<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
    <title>新世代ネットワーク推進フォーラム ブログ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/" />
    <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://forum.nwgn.jp/blog/atom.xml" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2009-04-03:/blog//1</id>
    <updated>2010-08-26T03:03:12Z</updated>
    
    <generator uri="http://www.sixapart.com/movabletype/">Movable Type Commercial 4.25</generator>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの実現に向けて（後編）｜青山　友紀氏（慶應義塾大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/08/post-16.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.32</id>

    <published>2010-08-24T04:11:05Z</published>
    <updated>2010-08-26T03:03:12Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務 現状のインターネットの課題、新世代ネット...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務</p>
<p>現状のインターネットの課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、本フォーラムの活性化方策などにつき、本フォーラムの副会長で、慶應義塾大学大学院教授の青山友紀先生に取材を行いました。前編に続き、後編の取材記事をご紹介いたします。<a href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/08/post-15.html" target="_blank">前編はこちら</a>（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―次に、新世代ネットワーク推進フォーラム（以下「フォーラム」）は、どのような役割を担うことが期待されますか？</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　私はＮＧＮに代表されるキャリア型のＩＰネットワークやインターネットを「改良」するというアプローチは否定しません。しかしながら、2020年以降の社会を考えたとき、現行のＩＰの改良やＮＧＮの普及だけで物事が解決できるのか、という観点から、様々な疑問がワールドワイドに提示されています。インターネットが普及して数十年経った今、次のネットワークのアーキテクチャやプロトコルを「改良」ではなく一から思考するというのが、いわゆる「Clean Slate」の考え方です。私は、プログラムコーディネーターとして、こうした観点から新たなネットワークを作っていこうとＮＩＣＴへ提案しました。<br />　しかしながら、産業界は現行のインターネットやＮＧＮの運用上の問題にかかりきりで、必ずしもこうした新たな動きに向き合っていける状況にはありません。<br />　こうした背景から、このフォーラムの設立当初は、まず、新世代ネットワークの目標、位置づけ、世界の動向等を産業界・大学等に理解してもらうことを第一の目的とし、様々な部会やワーキンググループを設置し、情報を発信してきました。<br />　新世代ネットワークや欧米のFuture Internetは、その目的やねらいに関する情報発信や啓発の段階から、具体的にどのようなアイディアを実装し実験的なネットワークでテストしてその有効性を実証するかを検討する段階に入りつつあります。まだ先の話ですが、新世代ネットワークの標準化についてもそろそろ目を向けていくべき時期でしょう。すでにＩＴＵ-Ｔ（国際電気通信連合 電気通信標準化部門）やＩＳＯ（国際標準化機構）において、デジュール／デファクト標準化の議論が始まりつつあり、ＩＴＵ－Ｔ　ＳＧ１３にＦＧ－ＦＮ（Focus Group for Future Network）が設立され、標準化の前段階の議論が開始されています。このような動向を踏まえ、私は新世代ネットワークの検討は「第１フェーズが終わり第２フェーズに入った」と認識しています。フォーラムも大学や産業界に啓発活動を行ってきた段階から、新世代ネットワークに関わる具体的なアイディアや技術を実際に動かして議論する段階、すなわち、大学や産業界に第一人称で「参加」してもらう時期に来ていると思います。<br />　折しも、「第４期科学技術基本計画」が2011年度から始動します。また、ＮＩＣＴでも2011年度から次の５ヵ年の中期計画が始動します。こうした動きにあわせて、新世代ネットワーク推進フォーラムの各ワーキンググループでも、新世代ネットワークの研究開発に関する2011年度以降の５ヵ年計画について早急に検討していく必要があると考えられます。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―第２フェーズの実証実験は、具体的にどのように行われるのでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　いくつかの有望なプロジェクトに資金を投入し、３～５年実験を行います。現在のネットワークテストベッドであるJGN2plusの次に構築されるJGN-X（２０１１年スタート予定）に接続し、実際に稼動させることで、インターネットやＮＧＮのＩＰネットワークよりも優れた点を示すことがまず重要です。また、海外に向けた日本の技術のアピールも必要です。米プリンストン大学のプラネットラブ（Planet Lab）や米スタンフォード大学のオープンフロー（Open Flow）等は、海外の研究機関や企業に対して自分たちの技術をアピールし、試用してもらうことで、デファクトスタンダードへの流れを作りつつあります。こうしたアプローチでデファクトとして普及・定着した技術があると、標準化の過程で突然良い技術だと提案しても標準にはなりえません。<br />　日本でも、自分たちの開発した技術をテストベッド上で稼動させると同時に、海外に向けて自分たちの技術のよさをアピールし、実際に使ってもらうことが大切です。そうした活動をフォーラムがサポートしてやっていくべきでしょう。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―第２フェーズが終了した後のロードマップについて、どのようなイメージをお持ちですか。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　今後５年間で実証実験が行われ、2015年頃までには「実際に稼動する新世代ネットワーク」の原型が完成し、並行して標準化の議論やどのようなサービスをネットワーク上にのせるかといったビジネスを意識した開発が進められることが理想的です。<br />　また、どのようなプロセスで新世代ネットワークを導入していくかについての議論もそろそろ始めなければいけません。例えばスタンフォードのオープンフロー方式は、パケット単位ではなくフローを識別する点が新しいのですが、新世代ネットワークでなければ稼動しないものではなく、従来のインターネットプロトコルの上で使われている部分も多いのです。新世代ネットワークが、一挙にインターネットから切り替わることは不可能であり、オープンフローのようにインターネットの上で導入され、切り替わっていくことが考えられます。インターネットも既存のデジタル電話網を利用してＩＰパケットが転送され、普及していったことを見ても、新世代ネットワークが普及するための基盤をゼロから作ることはありえません。IPネットワークを利用しながら普及していく以外には考えられないでしょう。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―フォーラムが期待される役割を果たす上での課題については、どうお考えですか。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　第一に、フォーラムにおいて企業や大学等が今後必要な技術開発についてのコンセンサスを形成し、総務省に提案して予算を確保する活動を考えるべきです。現在は研究者が個別的に意見を表明していますが、まとまって意見を発信することができればより大きな力となるでしょう。日本では、国の財政状況の悪化やそれに伴う事業仕分けなどがあり、研究開発の資金確保は厳しい状況にありますが、新世代ネットワークのような、中長期な視点からみて重要性の高いプロジェクトに国の資金を重点的に投入し、日本の技術を育てていかなければいけないと思います。私は、２０１０年代にＩＣＴの"Ｉ（クラウドコンピューティング）"と"Ｃ（新世代ネットワーク）"の両方がともにパラダイムシフトすると考えていますが、日本のＩＣＴ産業がそれに追従できなければもはやワールドビジネスで生き残っていけないことは明らかです。そうなれば自動車産業と同程度の経済規模と雇用を生み出す産業が失われ、日本の将来は甚大なダメージを受けるでしょう。したがって国をあげて両ＩＣＴパラダイムシフトにおいて日本発の技術を創出し、標準化し、世界に普及させることが求められます。民主党政権では、「グリーンイノベーション」と「ライフイノベーション」が前面に打ち出されていますが、その基盤になる情報やネットワークの部分をすべて海外の企業に席捲されてしまうことになりかねないのです。しかしながら新たなネットワークを研究開発する重要性について、必ずしも政府やマスコミ、国民の理解が得られていないのが現状です。したがってフォーラムとしては、新世代ネットワークにわが国が取り組むことの重要性を政府や省庁だけでなく、マスコミや国民全体に分かりやすく示していかなければいけません。<br />　私が関わっている超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会（ＰＩＦ）は、現在第３フェーズの研究開発段階に入っていますが、各フェーズ（平均５年／フェーズ）が終わる２年ほど前から、次に取り組むべき技術開発について１年をかけてフォーラムで討議し、総務省に提案しています。総務省はその提案に基づいて概算要求を行い、予算を確保してＮＩＣＴ委託の競争的資金に提供しています。幸いなことにフォトニックネットワーク技術については、日本が世界的に強い技術であり、オール光ネットワークの研究開発は非常に重要であるという認識が得られ、平成22年度の概算要求案では全体で37億円ほどの予算が計上されています。その他、ICT関連では、次世代ネットワーク（ＮＧＮ）基盤が約25億円、移動通信システムにおける周波数の高度利用が約36億円となっています。一方、新世代ネットワークに関する概算要求は約17億円ほどであります。これでは米国やＥＵと競争するには十分ではありません。この状況のままではインターネット産業で大部分が米国企業に牛耳られている状況が再現される恐れが大きいと思います。これまで、フォーラムでは研究開発戦略ＷＧにおいて研究戦略を中心に議論してきましたが、ＰＩＦで取り組んでいるような、今後重点的に取り組むべき技術といった技術論を、all-Japan体制で検討できる場に活用していくことが必要だと思います。<br />　また、米国ＮＳＦファンドのプロジェクトおよびＥＵのＦＰ７のプロジェクトとの連携を図るため定期的にシンポジウムを開催しており、これに新世代ネットワーク推進フォーラムが協賛しております。２０１０年代のＩＣＴパラダイムシフトは１国や１地域だけでできるものではなく競争とともに協調も必要なのです。</p>
<p>　第二に、医療分野や電力分野、自動車分野、農業分野など、ＩＣＴを応用する近接領域の企業や研究機関に働きかけることが極めて重要です。彼らがビジネス化のフェーズにおけるユーザとなるわけですから。これらの近接領域にはＩＣＴに関心がある人達が少なからずいるので、彼らにＮＷＧＮの効果などを知ってもらい、ＮＷＧＮへの要求条件を出してもらう等の形で連携する必要があります。例えば、遠隔医療分野の研究者に遠隔手術を行う際の遅延をＮＷＧＮで解決しうることを認識してもらうことにより、彼らの興味が得られ、ネットワークの研究者と近接領域の研究者との連携などにつながるでしょう。そのような異分野との連携活動をフォーラムが支援することが重要だと思います。</p>
<p>　第三に、現状では様々なフォーラムが乱立しており、検討課題の重複もみられます。例えばロボットのネットワーク化は、ユビキタスネットワーキングフォーラムの部会でも議論されています。総務省もある程度整理したいと考えているようですが、将来的に統合したり、論点の棲み分けを図ったりしたりすることは考えられます。たとえば、新世代ネットワーク推進フォーラムでは、ネットワークロボットをひとつの「サービス」という視点から議論する、といった方法が考えられます。また、クラウドをネットワークと連携させたサービスの創出が今後は考えられますので、GICTFとの連携も重要になるでしょう。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークに関連する技術で、日本が潜在的に競争力を有し、イニシアティブをとれる技術について、どうお考えですか。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　まさにそれを、今後テストベッドを活用して探していくことになります。第１フェーズでは意識的に浅く広く研究テーマを取り扱ってきましたが、第２フェーズでは日本にオリジナリティや強みがあるテーマをいくつか選定し、重点化して取り組んでいくことが必要と考えています。候補となるテーマの一つ目は、物理レイヤの光パス・パケット統合ネットワーク技術です。欧米ではまだあまり進んでいない技術であり、今後の通信と放送の融合に有用と考えられます。<br />　２つ目は東京大学の中尾彰宏先生が中心となって取り組んでいるネットワーク仮想化（Network Virtualization）技術です。コンピュータの発展は仮想化の進展でもありましたが、ネットワーク全体の仮想化はこれからであります。この技術によってユーザは自分の利用したいサービスに適する"スライス"と呼ばれる論理的ネットワークを物理的ネットワーク上に構築し、利用することができます。ネットワーク仮想化についてはプリンストン大学やスタンフォード大学などライバルが多いですが、日本独自のアイディアを取り入れたより良いネットワーク仮想化技術の研究が進みつつあり、そのキーとなる仮想化ノードのプロトタイプの開発が進められており、それを利用したいという欧米の研究者も出始めております。<br />　３つ目はＩＤとロケータの分離です。例えば、「青山」という私の名前と私の住所は違うものですが、今のインターネットのＩＰアドレスではこの２つが一緒になっています。それらを分けることでモビリティサポートやマルチホーミング等のサービスがよりシンプルに行える可能性があります。これは非常に重大な変革です。今までのＩＰアドレスの在り方に変更を迫るわけですから、ＩＰアドレスをコントロールしているステークホルダーは反対する可能性があります。容易なことではないですが、まずは閉じたクラウドの接続ネットワークなどに限定的に取り入れられるかもしれません。あるいはセンサネットワークのようなものから導入していくことも考えられるでしょう。<br />　４つ目は有線・無線統合です。超高速でフォトニックとワイヤレスを統合する技術ですが、まだあまり具体化されていません。新世代ネットワークのグリーン化に貢献できる可能性があります。このテーマについても、日本の強い技術を出せると非常に良いのではないかと思います。<br />　５つ目は安心・安全です。新世代ネットワークのセキュリティを全体としてどのような方式で構築すればよいかは今後の重要な課題です。ＮＩＣＴではSTARBEDと名付けられたネットワークのシミュレータ・エミュレータが稼働しており、これらを活用したセキュリティの研究もおこなわれております。<br />　６つ目として、日本が非常に強いロボット分野をネットワーク化していくことが考えられます。このテーマについてはユビキタスネットワーキングフォーラム内にも部会があり、検討が行われています。<br />最後は新世代ネットワークでなければ実現できない新しいサービスの創出です。これについては新世代ネットワークのプロトタイプが明確化する２０１０年代中ごろにかけて明らかにしていくテーマでしょう。<br />　いずれにしても、米国、ＥＵ、日本がそれぞれ単独ですべての新世代ネットワーク技術を創出することは不可能であり、相互に競争する面と連携して共同研究を進める両方の方策が必要であります。それらに新世代ネットワーク推進フォーラムが貢献していければと思います。</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの実現に向けて（前編）｜青山　友紀氏（慶應義塾大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/08/post-15.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.31</id>

    <published>2010-08-24T03:33:56Z</published>
    <updated>2010-08-26T03:02:05Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務 現状のインターネットの課題、新世代ネット...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務</p>
<p>現状のインターネットの課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、本フォーラムの活性化方策などにつき、本フォーラムの副会長で、慶應義塾大学大学院教授の青山友紀先生に取材を行いました。まずは、前編の取材記事をご紹介いたします。<a href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/08/post-16.html" target="_blank">後編はこちら</a>（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―最初に、現在のインターネットに対してどのような問題点を感じていらっしゃいますか。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　インターネットは私たちの社会経済的活動に広く浸透し、これなくしては社会が存立しえなくなってきていますが、インターネットを今後の「社会基盤」としてもっと活用しようとしたときに信頼性や安全性、エコに対する要件を十分に確保することが難しいという点が問題といえます。具体的な問題としては、インターネットには狭い意味でのセキュリティの問題のほか、トラヒックやスパムの影響を受けやすい、将来の爆発する情報を流すには膨大な電力が必要といった問題があります。<br />　また、インターネットが本来想定していなかった状況に対応するために対症療法的に新しい機能や仕組みをネットワークに付加する方法がとられてきましたが、その結果、ネットワークアーキテクチャの構造はインターネットの原理であるシンプルな構成からほど遠い継ぎ接ぎのような状態になりました。このように従来のＩＰプロトコルに改良を加える方法では、いずれ限界に至るでしょう。そこで白紙の状態からネットワークのあるべき姿を再考し、アーキテクチャやプロトコルを再構築することができれば、今後の社会が要求する複雑な条件を満たす、よりシンプルでエコに優しい、安心・安全なネットワークを構築できるのではないでしょうか。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―白紙から再構築されるネットワークについて、もう少しお伺いしてもよろしいでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　将来のあるべきネットワークアーキテクチャがどのような構造のものなのか？その解はまだ世界のどこにも存在しません。これからグローバルな競争と協調の中でつくっていくものです。<br />　ネットワークの歴史を振り返ると、「テレグラフ」、「テレフォン」、「インターネット」という３つのネットワークのパラダイムがありましたが、それがどのように創出されてきたかをみると、"まず電信機、電話機、パソコンという各ネットワークに接続されるコアとなる端末があり、その端末から出る情報の性質に合致したネットワークアーキテクチャやプロトコルがつくられる"というかたちで、ネットワークが構成され普及していきました。しかし、今後はこれまでのように１種類のコア端末に合わせればよいわけではなく、"様々な端末や施設・設備（たとえばセンサ、ＰＣ、携帯、家電、デジタルＴＶ、クラウドなど）を接続できるアーキテクチャやプロトコルを創出する"ことが必要なのです。<br />　このように性質の大きく異なる様々な端末を有効に接続するネットワークアーキテクチャを考えることは人類初の試みです。センサから出る数百ビットの極小データから３Ｄ映像の数テラバイトにも達する極大コンテンツまでを良好な品質で転送・配信できるアーキテクチャはどのような形態であるべきなのか？そして安心・安全でかつ悪意ある攻撃にも耐えるネットワークである必要があります。爆発的に増加するトラフィックを転送するネットワークシステムの消費電力は膨大なものになる可能性があり、地球環境の観点からは格段に消費エネルギーを削減しなければなりません。また、人間による管理・制御には限界がありますので、このような複雑なネットワークを秩序立てて稼動させるには、現在のネットワークには適用されていない自己組織型のメカニズムを組み込む必要があると考えられており、それを可能にするためには新しい"Network Science"の研究が必要であると考え、基礎的な研究に取り組んでいる人達もおります。<br />　このような視点で考えていくと、将来のネットワークは現在のインターネットの単なる延長線上にはない新しいパラダイムのネットワークかもしれません。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―既存のネットワークの課題が克服された場合に、期待される社会経済的な効果やビジネスチャンスは如何なるものですか？</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　将来のネットワークという"まだないもの"の効果を予想することは難しいですが、きわめて多様なアプライアンスが高い品質で低エネルギーのネットワークに低コストで接続されるようになるとすれば、それをプラットフォームとして新しい魅力的なサービスの提供につながり、多くの分野で既存のビジネスの構造を変えるでしょう。例えば印刷、新聞、出版、テレビ、広告などの業界は、デジタルメディアの普及で大きな変革に直面しつつあり、また医療や介護、教育、さらに農業などの分野にも技術革新の影響が波及すると考えられます。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークに関連した海外の研究開発動向はいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　新世代ネットワーク（欧米ではFuture Internetと呼んでいる）の研究は米国ではＮＳＦが研究資金を提供している大学中心の研究プロジェクトがいくつも走っています。そこでは新世代ネットワークのキーテクノロジの一つである"ネットワーク仮想化（Network Virtualization）"でやや先行しましたが、我が国ではＮＩＣＴ委託研究であるネットワーク仮想化の研究プロジェクトも成果を上げつつあります。元来日本はフォトニックやワイヤレスの「物理層」技術に強く、光パス・パケット統合のネットワーク技術で世界を先行しつつあります。<br />　一方、ＥＵが研究助成をしているプログラムはＦＰ（Framework Program）と総称され、現在第７次のＦＰ（ＦＰ７）が進行しており、その中に将来のネットワークの研究を行うFuture Networkのプロジェクトがいくつか走っています。ＥＵは携帯電話で世界の大きなマーケットを占めたＧＳＭ（Global System for Mobile Communications）の成功を背景に「モバイル」技術を強く指向して研究開発を推進しています。将来のモバイルサービスを提供する有線・無線統合ネットワークにおいて、日本がいかにオリジナリティを出すかが今後の課題の一つであります。<br />　最近話題のクラウドコンピューティングもそれを接続する新世代ネットワークの研究が極めて重要であります。日本には、クラウドに関する産学官連携のフォーラム（グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム：GICTF）が昨年７月に設立され、私が会長を務めています。先日、欧州で開催されたクラウド関係の会議に参加しましたが、ＥＵは米国のGoogle、Amazon、salesforce.comなどの企業がクラウドビジネスで世界を席巻している状況に対して強い危機感を抱いています。一般的なビジネスを対象としたパブリック／プライベートクラウドでは米国が圧倒的に先行していますので、ＥＵでは行政や医療を対象としたミッションクリティカルなクラウド技術を対象に、ネットワークやデータセンターをもつ通信キャリアを核にしたクラウド開発を推進しようという戦略が見られ、クラウドビジネスに関して大きく後れを取っている日本もＥＵの戦略を参考にすべきと考えられます。<br />　インターネットの改良研究ではない"Clean Slate Architecture" の研究開発に、米国やＥＵは相当の研究資金を投入しています。米国のＮＳＦを例にとると、新世代ネットワーク技術の実証試験を行うテストベッドプロジェクトであるＧＥＮＩはspiral2と呼ばれる第２段階に入り、また革新的アイディアの研究に小規模な助成を行うＦＩＮＤと呼ばれる多数のプロジェクトが進められていましたが、最近３年間で総額約30億円のFuture Internet Architectureという新しい研究公募（2010年４月22日〆切）を行いました。ＦＩＮＤの小規模プロジェクトから、今後は有望な研究提案を２～４件に絞って採択し、大きな資金を提供して集中的に取り組んで行こうとしています。また、FINDに参画する研究者を中心に昨年１０月にFuture Internet Summit を開催し、主要な研究者が集まって将来のネットワークに対する要求条件や解決すべき課題について集中的に討議を行っています。<br />　一方、ＥＵのＦＰ７プログラムにはバイオ、環境、医療、など様々な分野の研究に資金を提供していますが、情報通信分野に最も大きな研究費（７年間で約１兆円）を投じていることに驚かされます。<br />　これに対して我が国ではＮＩＣＴが主導する新世代ネットワークの研究が事業仕訳で厳しい評価をされ、研究開発投資が縮減される恐れがあるなど、世界と競争できる研究環境の構築が危ぶまれる状況にあることは極めて憂慮すべきことであります。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークの実現に向け、望まれる産学官連携の姿や前提となる制度改革につきまして、ご意見をいただければと思います。</strong></font></p>
<p><strong>青山</strong>　私が現在の日本に一番欠けていると考えるのは、GoogleやAppleのような革新的技術をベースにベンチャーからＩＣＴ企業を育てる土壌です。大学で育てた技術がベンチャービジネスにつながるような産学連携が必要だと感じています。かつて米国ではベル研究所やＩＢＭのワトソン研究所、ゼロックスのパロアルト研究所のような大企業の大研究所からイノベーションが誕生してきましたが、現在の大企業は自社では基礎研究は行わず、良い技術を開発しているベンチャーがあるとそれを買収し、実用化、ビジネス化につなげていくのが普通になっています。他方、日本の大企業にはそういったベンチャーを発掘して自社の開発に取り込もうというマインドがあまり見られませんし、日本のベンチャーキャピタルもハイリスクの研究投資に慎重ですから、革新技術ベースのベンチャー育成に十分に貢献できていません。ある資料によれば、ＩＣＴベンダで一兆円の売り上げを達成している企業がいつスタートしたかをみると、ソニーにしろパナソニックにしろ、町工場から発展したわけですが、すべて１９５０年代以前の誕生です。一方米国ではMicrosoft、Apple、CISCO、Googleなど、現在ＩＣＴをリードしている多くの企業は１９７０年代から９０年代の誕生でありますが、日本では１９６０年代以降に誕生したＩＣＴの大企業はなんとゼロなのであります。この違いは一体どこからくるのでしょうか！<br />　また、政府の科学技術に対する支援も欧米に比べて大変不足しています。日本学術会議では、「提言『学術の大型施設計画・大規模研究計画 －企画・推進策の在り方とマスタープラン策定について－』（平成22年3月17日）」において、今後10～20年の間に推進すべき大型研究計画を43件選定・公表しました。この中のひとつに、「インターネットに代わるネットワーク基盤」が採用されました。欧米や成長が著しい中国、韓国とのグローバル競争に勝つためには、相応の予算と研究施設を確保し、日本におけるＩＣＴ産業の国際競争力強化と高度なＩＣＴインフラを整備していくことが必要でしょう。<br />　しかし、わが国では最近、多くの分野で長期的な基礎研究の予算が認められにくいといった苦境に立たされています。こうした状況は、情報通信分野も同様です。基礎研究は研究期間が長期にわたり、応用的な成果がすぐには出にくいものです。どのような成果を導出できるかを説明しづらいケースもあります。基礎研究はある程度の時間を要すること、グローバルなビジネス競争の激化で企業には基礎研究に投資する余力は無くなっていること、したがって国の研究投資が必要不可欠であることの理解を得なければなりません。<br />　米国では情報通信分野ではDARPAが資金を提供した実験ネットワークであるARPANETやそれを引き継いだＮＳＦファンドのNSFNETに対して国が約２０年間にわたって資金を投入し続けました。こうしたプロジェクトに多くの研究者や企業が参加する中で、ＩＰやＷＥＢなどのインターネット技術が生まれ、ベンチャーが誕生し、米国のICT産業を牽引する企業群が継続的に創出されています。CISCOもGoogleもその中で誕生し、成長した企業です。これによって２０年以上注入した税金の数桁大きい資金が産業界から税金として戻ってきているわけです。<br />　わが国でも、国が長期的に資金を投入して、自由に研究開発に参加できる環境を提供し、その中から新たなサービスやビジネスが生まれ、それを生んだベンチャーが育っていけばＩＣＴ産業の強化にとって素晴らしいと思いますし、国はそういう先行投資をすることで将来大きなリターンを得ることができるのです。わが国では、前述のように１９６０年以降、世界と競争できるＩＣＴベンダはほとんど創出されていません。このことに対し、強い問題意識を持ち、それを克服する政策を推進しなければなりません。<br />　制度面においては、医療や農業等、情報インフラを活用する側の様々な分野に新たなＩＣＴ技術を導入する際、既存の制度や法律と衝突する可能性があります。たとえば、医療分野では薬事法の壁があります。もっと柔軟に、新しい技術への対応ができるように制度や法律を省庁の壁を越えて改訂していくことが必要であります。日本のブロードバンドネットワークインフラはＦＴＴHの普及や料金の安さを含めて世界最高レベルにありながら、その利活用では先進国に後れを取っている現状は制度や法律面の制約が大きいと考えられます。</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの実現に向けて｜村田　正幸氏（大阪大学大学院）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/08/post-14.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.30</id>

    <published>2010-08-24T03:07:48Z</published>
    <updated>2010-08-26T02:48:45Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務 現状のインターネットの課題、新世代ネット...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務</p>
<p>現状のインターネットの課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、本フォーラムの活性化方策などにつき、研究開発戦略WG主査の村田正幸先生（大阪大学大学院　情報科学研究科　教授）にお話を伺いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>－現在のネットワークに関して、どのような問題点や課題を感じていらっしゃいますか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　情報通信研究機構（以下、ＮＩＣＴ)の新世代ネットワーク戦略プロジェクトのページ（<a href="http://nwgn.nict.go.jp/publication.html">http://nwgn.nict.go.jp/publication.html</a>）の報告書・パンフレット等をご覧いただくと、現在のネットワークの課題を、具体的かつ詳細に把握いただけるかと思います。<br />　ＮＩＣＴではこれまでに、「新世代ネットワークビジョン」や「新世代ネットワーク技術戦略」等をとりまとめ、この中で５つのネットワークターゲットを提示しています。具体的には、（１）価値を創造するネットワーク、（２）トラスタブルネットワーク、（３）生活環境を支えるネットワーク、（４）ユーザが制約を意識しないネットワーク、（５）地球に優しいネットワーク、です。あわせて、５つのネットワークターゲットに共通する新たな基盤「ネットワークファンダメンタルズ」の実現も目指しています。これらのターゲットは、既存のインターネットで解決できない様々な技術的課題や、顕在化する多様な社会問題等を踏まえて設定されたものです。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－既存のネットワークの課題克服に関して、国内外の研究開発動向はいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　ネットワーク仮想化は、最近国内外で注目されているテーマのひとつです。ＮＩＣＴでも仮想化の開発に取り組んでいますし、米国ではＧＥＮＩの主導で開発が進められています。仮想化に関する目下の課題は、実現したときにその上で何を動かすか、どのようなサービスを実現していくかという案がじゅうぶんでない点です。日本も欧米に遅れをとらない取り組みが必要です。<br />　有線と無線の統合は、重要な技術課題のひとつであることは間違いありませんが、技術としての実態がまだない状態です。これまで、有線と無線は異なる研究領域として異なる研究者が取り組んできましたので、この２つの領域の研究者同士の接点が少ないという問題もあります。まずは研究者の融合が必要です。<br />　光パス・パケットについては、日本が強みのある技術です。新世代ネットワークの関連のテーマでは、わが国が資金を比較的投下投入しており、産業界でも研究開発が進んでいます。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－新世代ネットワーク技術の研究を進めていく上での課題はなんでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　新世代ネットワークの研究を推進するための大きな課題のひとつは「研究者や技術者のマインドを変えること」です。<br />　最近のＩＴ分野の研究は、既存のインターネットを前提に進められがちです。たとえ全く新しい発想をもっていても、「インターネットで動かすにはどんなプロトコルになるか」と聞かれてしまいます。いまのネットワークで動かせないという時点で、研究対象にならないのです。また、新しい発想をせっかく論文にしても、インターネット上で動かせないために評価されません。民間企業はさらに厳しく、今、役に立たないものは検討対象になりません。こうした背景から、産業界でも学術界でも、狭い範囲から研究テーマを出さざるを得ず、新しい発想を生み出すマインドが疎外されがちです。<br />　これは、人材育成でも課題になっています。今はインターネットありきでプロトコルがあり、パソコンがあるとネットにつながる世の中ですので、大学の学生たちは「研究するような課題はないのでは」というマインドに陥っています。また、インターネットプロトコルで動くものを考えようとすると、どうしてもすでにあるものの改良版になります。少し改良できれば効果がみえるので論文にはなりますが、ここから新しいものは生まれません。<br />　学術界も産業界も、既存のインターネットにとらわれず、新しい発想を出していかなければ、新世代ネットワークにつながる発想は生み出されないでしょう。<br />　インターネットではできないものを発想していくことが、若くて新しい人材を育てますし、新しい研究フィールドを創出することにもつながります。</p>
<p>　また、サービスやアプリケーションなどのためのミドルウエアについては、現段階で検討するのが難しいという課題もあります。今はまだ、新世代ネットワークの効果を具体的に説明できません。仮想化の研究でも課題になっていますが、どのようなサービスやアプリケーションを、どのようなプロトコルで動かすかを検討する必要があります。これは、サービスプロバイダ、技術系のメーカー、学術界等の産学連携、産産連携により見えてくる部分です。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－日本が競争力を有し、イニシアチブを取れる技術についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　よく日本が強いと言われるのは、携帯電話に関連する技術です。日本と欧米で開発の観点が異なり、日本は携帯の本体の機能を高めようとする傾向が強いのが特徴です。一方で、ネットワーク化によってさまざまなアプリケーションを使えるようにするといった観点は、日本は極端に弱いように思います。その結果が、ガラパゴス化を産み出しているのだと思います。<br />　日本では光の要素技術に強みがありますので、ここから攻めていく方法も考えられます。光パス・パケットなどを足がかりに、あたらしい通信やサービスを考えてみるのは良いかもしれません。光分野は、こうした検討ができる段階にきていると思います。<br />　すり合わせ技術については、日本が比較的得意な分野です。ただ、イノベーションの専門家から見ると、こうしたテーマでイノベーションを起こすには、その可能性はあるものの相当の工夫が必要という課題があるようです。<br />　このような状況で、どのようなイノベーションを産み出していくか、というのも我々の課題だと考えています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－新世代ネットワーク推進フォーラム（以下、「フォーラム」）は、どのような役割を担うことが期待されますか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　学会や国研や総務省等が単体では取り組めないような課題に対応する際に、フォーラムのような産学官連携組織が必要になります。<br />　たとえば、学術界や産業界の研究者の出会いの場の創出です。日本は企業や大学が多すぎて、優秀な研究者がばらばらになっています。フォーラムが各地に分散した研究者をネットワーキングする機能を担えると良いと思います。</p>
<p>　なお、このような組織では、検討フェーズが進んで重点テーマが絞込まれると共に、活動メンバーの固定化等の問題が生じやすいので、検討フェーズごとの組織構成のリニューアル、会員やフォーラム外からの意見収集、等の仕組みを大事にすべきだと思います。</p>
<p>　いまのフォーラム全体についていえることは、ビジョンを明確に示していくこと、時間軸を設定することが必要だと考えています。</p>
<p>　また、各ＷＧでの検討成果を踏まえ、フォーラムから国などへ、今後取り組むべき重要課題などを提案するといった動きが重要です。国も、産学官連携の検討成果として「この分野が重要」ということを明確にされれば、戦略的に研究費の投入ができますし、予算化時の説得性も向上します。<br />　欧州には「テクノロジープラットフォーム」（以下、ＥＴＰ）があり、今後重要となる技術を産学官で検討・提案する場として、うまく機能しているように見えます。ＥＴＰからわが国が学ぶべき点はたくさんあると思います。<br />　また、国内のフォーラムでは、フォトニックインターネットフォーラム（以下、ＰＩＦ）が参考になると思います。ＰＩＦでは、今後の重要テーマを検討し、国への提案や予算獲得を行った実績を有しています。ただ、時間経過とともに、制度疲労を起こしつつあると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－フォーラムの各ワーキンググループの機能と役割についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　研究開発戦略ＷＧとアセスメントＷＧの連携としてあるべき姿は、研究開発戦略ＷＧがシーズについてまず議論を行い、これをもとにアセスメントＷＧが経済・社会的な観点について議論を行い、この内容をＷＧ間で共有し、各ＷＧでさらに検討するといった流れかと思います。今後、研究開発戦略ＷＧで検討したロードマップについて、アセスメントＷＧからも意見をいただければと思います。</p>
<p>　テストベッドネットワークＷＧについては、具体的な研究開発テーマが見えてから本格稼動する組織ですので、それまでは、情報提供とともに、テストベッドのあり方に関する議論が中心になろうかと思います。ＪＧＮの次をどのような時間軸で進めていくか、という観点での議論は重要かと思います。</p>
<p>　また、ＷＧを動かしている立場からいうと、各メンバーからどのくらいの貢献を求めるか、という目安もなんらか示せると良いかもしれません。組織によってメンバーのタスクは変わり、たとえばＳＷＧは積極的に貢献してくれる人の参加が必要となります。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－フォーラムの「研究開発戦略ワーキンググループ」の活動の概要をお教えください。</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　研究開発戦略ワーキンググループ（以下、研究開発戦略ＷＧ）のミッションは明確で、新世代ネットワークの研究開発戦略を検討することです。<br />　平成２１年度は、ＮＩＣＴが策定した新世代ネットワークビジョンやロードマップを議論のベースにして、ＷＧでの議論を進めました。具体的には、４つのサブワーキンググループ（以後、ＳＷＧ）を立ち上げ、ロードマップのブラッシュアップを行いました。また、ＮＩＣＴでは重点的に取り組むべき研究開発テーマ（トップＸ）を検討していますが、これを４つのＳＷＧで分担して精査していただきました。ＷＧ会合では、キャリア大手のＮＴＴにビジョンを発表してもらうなど、メンバー向けの情報提供も行いました。こうした検討の成果は、平成２２年３月２３日の研究開発戦略ＷＧ会合や、平成２２年４月２日の新世代ネットワーク推進フォーラムの総会で発表しました。</p>
<p>　研究開発戦略ＷＧのＳＷＧの立ち上げの際は、「個人的」な立場でＳＷＧに参加してもらい、主体的に議論してもらうことを目指しました。「個人的」を強調した理由は、組織の壁を越えて議論をしてもらいたかったためです。メンバー構成は、30～40代の若手を中心としました。各ＳＷＧの主査はＮＩＣＴ関係者が務め、検討等の効率化を図りました。実際、ＳＷＧではメンバーの皆さんで自由に議論をしていただき、よい成果が出せたと考えています。</p>
<p>　平成21年度のＳＷＧは、議論をして成果を出すことはもちろんですが、組織の壁を越えたヒューマンネットワークを構築してもらい、今後の研究開発につなげてもらうことも狙っていました。その意味でも、当初の目的は達成されたと感じています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>－欧州の「テクノロジープラットフォーム（ＥＴＰ）」について、もう少し詳しく教えていただけますか。</strong></font></p>
<p><strong>村田</strong>　ＥＴＰとそれをとりまく仕組みは以下のようになっています。<br />　ＥＴＰは、欧州の産業界や学術界のメンバーで構成される組織で、今後取り組むべき戦略的な課題を検討し、ＥＣ（欧州委員会）に提案します。ＥＣは、提言を踏まえて戦略プロジェクトを立ち上げ、ＦＰ７に募集をかけます。ＦＰ７は、欧州の産業界や学術界へ研究費を提供します。これにより、欧州産業界は、中長期的な予算を獲得して研究開発を推進します。この仕組みのよさとして、目標やプロセスを産学官で共有できる点、産学で必要性・重要性等が精査されたテーマで国家プロジェクトが立ち上げられる点、などがあげられます。また、この仕組みが動くことで、ＥＴＰ関係者間の産学連携や、ＦＰ７とＥＴＰの間の産官連携が推進されていることも重要な点です。</p>
<p>　これはわが国には実質的に存在しない仕組みであり、わが国にも「日本版テクノロジープラットフォーム」が必要であると考えています。日本に置き換えるならば、ＥＣの役割を総務省（官公庁）が、ＦＰ７の役割をＮＩＣＴが、ＥＴＰの役割をフォーラムが担うことが想定されます。現状では、産業界・学術界がばらばらに官公庁へ提言を行っているなど、産学が十分に精査した中長期的視点に基づくプロジェクトが立ち上げられているとはいいがたい状況です。また、このフォーラムもＥＴＰのようには機能していません。</p>
<p>　わが国でも、もっとフォーラムを活性化してＥＴＰのような好循環を創出し、テクノロジープラットフォームへと発展させていくべきだと思います。フォーラム活性化方策のひとつとして、ＳＷＧの検討成果を総務省に提案すること等があげられます。そして、フォーラムからの提案を踏まえて、総務省が産業界の求めていそうなテーマを取捨選択して公募を行い、ここに企業や大学がアプライしていく、という流れにつながっていくと良いと思います。また、欧州の事例をふまえると、フォーラムにおけるＮＩＣＴが果たすべき役割は非常に重要だと思います。</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜須藤　修氏（東京大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/06/post-12.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.28</id>

    <published>2010-06-29T01:35:52Z</published>
    <updated>2010-07-30T06:58:34Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務 現状のインターネットの課題、新世代ネット...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム　庶務</p>
<p>現状のインターネットの課題、新世代ネットワーク（NWGN）により期待される社会経済的なインパクト、新世代ネットワークの実現に向けた産学官の連携のあり方などにつき、アセスメントＷＧ主査の須藤修先生（東京大学大学院情報学環 教授）にお話しをお伺いしましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―まず、新世代ネットワークの実現に向けて、インターネットにはどのような問題があるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　現在のインターネットは多くの問題を抱えていますが、やはりセキュリティに関わる問題によってネットワークが信頼を獲得できていないことが、もっとも重大な問題ではないでしょうか。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―セキュリティの問題が解決されたときには、どのような効果が考えられますか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　現在、医療や金融で扱われるきわめて機密性の高い情報のやりとりでは、セキュリティ面への不安が原因でインターネットは使われていません。もしセキュリティの問題が解決されれば、こうした社会・経済的な活動に対するネットワークの貢献は大きく高まるでしょう。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―セキュリティに関する技術開発について、注目しておられる事例はありますか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　ネットワーク仮想化の技術に注目しています。この技術はセキュリティを確保するうえできわめて重要です。日本では東京大学の中尾先生の研究が代表的です。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―わが国で新たなＩＴサービスを創出するために、必要となる法制度面の改革はありますか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　今後はＩＴサービスの重要性がさらに高まります。このとき、データのマイニング、名寄せ、マージ、エディティングが重要になりますが、現在は、著作権や個人情報保護の問題が強調され、こうした迅速なサービスを行うことはできません。世界に通用するITサービスを創出するために、こうした諸課題をよく議論して抜本的に見直し、知的財産権や個人情報保護とＩＴの可能性を両立させるサービスのビジネスモデルを構想すべき時期にきていると思います。特に、著作権や個人情報保護について、テクノロジーを前提とした議論がなされる必要があります。テクノロジーの前提のない一般論では従来の議論から前進することは難しいでしょう。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―今後、日本がイニシアティブをとれる（とるべき）技術について、どのようにお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　日本には優れた研究をしている人は大勢いますが、だからといって世界でイニシアティブをとれるわけではありません。この分野ではIBM、Microsoft、Googleといった企業が巨大資本を投下してビジネスモデルを構築してきました。日本の企業の投資能力を超えた規模で動いていることを認識する必要があります。このような状況ですから、日本がイニシアティブをとるというよりは国際的なコンソーシアムの中で存在感を示していくことが重要です。そのために、まずは国内で、このフォーラムのように産学官連携でまとまって活動する枠組みが必要となります。国際的なコンソーシアムに個人個人で参加しても日本の存在感を示すことはできません。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―先生はアセスメントＷＧの主査を務めていらっしゃいますが、現在のフォーラムのかかえる問題点や課題について、どのようにお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　フォーラムの課題は、まだ具体的な目標が明確になっていないことです。もっと具体的な検討や研究開発を進めたいと考えている人も多いと思いますが、そのための活動資金を獲得するためにも、明確な目標が必要です。<br />　目標を明確にするうえで、基軸となるのはやはり研究開発です。研究開発の目標を可視化して対外的にアピールしていくことによって、いろいろな意味でフォーラム全体の動きがとりやすくなると思います。そのうえで、ワーキンググループ間で定期的に情報交換、意見交換をするとよいと思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―ワーキンググループ間の連携については、どのようにお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　ワーキンググループ間の連携は重視しています。2009年11月に研究開発戦略WGとアセスメントWGとの合同シンポジウムを開催し、2010年1月には研究開発戦略WGの協力を得てアセスメントWGのメンバーが新世代ネットワークに関わる技術動向を共有する場を設けることができました。こうした場を定期的に設けていく必要があります。<br />　今後はテストベッドの重要性が高まりますので、テストベッドネットワーク推進WGとアセスメントWGとの意見交換の場も設けていきたいと考えています。アセスメントWGの会合でも話題になっていますが、新世代ネットワークに対する技術的要件について定性的な情報は得られていますが、定量的な情報を得ようとするとテストベッドと連携して検証をしていくということが大切になります。また、テストベッドで検証を行う過程で法制度的な課題が生じ、これをアセスメントWGが検討するということも考えられます。<br />　ただし、各ワーキンググループに、ある程度の自由度や冗長性を保証する配慮が必要です。ワーキンググループ間での協力関係を高めることは重要ですが、報告のための資料づくりに追われてプロジェクト本体がダメになるリスクを高めるという事態は避けられなければなりません。研究は、蛇行しながら進みますし、ひとりで抱え込んで考える時間も必要です。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークの浸透をめざして、どのような層への認知を図る必要がありますか？</strong></font></p>
<p><strong>須藤</strong>　新世代ネットワークは少なくとも情報通信の専門家には認知されていなければいけないと思います。ところが今は情報通信の専門家に話をしてもＮＧＮ（次世代ネットワーク）を想定した話になってしまい、「NGNの次です」と説明するような状況です。ただし、情報通信の専門家にとっては、技術的にどのくらいの成果があがっているかが重要であり、それなしに関心をもってもらうことは難しいという面があります。<br />　また、一般の人達にも関心をもってもらってもいいと思います。極端ですが「今のインターネットが終わります」と言えば、みんな「えっ？」と驚きながらも、現在のネットワークの問題点や課題を意識するきっかけになると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―ありがとうございました。これで取材は終わりです。</strong></font></p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜対談：青山副会長、Taieb Znati氏（NSF）、Chip Elliot氏（GENI）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/06/post-13-14.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.27</id>

    <published>2010-06-28T07:43:44Z</published>
    <updated>2010-06-28T09:24:24Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 2009年12月4日から6日にホノルルで開...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>2009年12月4日から6日にホノルルで開催された「第2回日米新世代ネットワーク・ワークショップ」において、青山副会長（慶應義塾大学大学院 教授）のご協力により、アメリカ国立科学財団 （NSF）のTaieb Znati氏、およびGENIプロジェクト・オフィス（GPO）のChip Elliot氏へのインタビューを実施いたしましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>青山　本日はお忙しいところ、新世代ネットワーク（以下「NWGN」）推進フォーラムのインタビューにご協力頂きまして有り難うございます。<br />　NWGN推進フォーラムには現在産学官から100名を超す多様なメンバーが参加しており、新世代ネットワークの研究開発を推進することを目的としています。本日は、新世代ネットワークに関連するアメリカの動向に関する情報収集の一環としてインタビューを実施させて頂いております。</p>
<p>まずはじめに、今回ハワイで行われている「第2回日米新世代ネットワーク・ワークショップ」にどのような期待をされていますでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　ワークショップ初日の開会の挨拶でも述べたとおり、現在我々が直面している様々な課題は国際的に議論し、解決されるべき性質のものだと考えています。この「日米新世代ネットワーク・ワークショップ」は今回で二回目の開催となりますが、前回同様、今回も両国の様々な関係者が直接交流し、ネットワークを構築すること自体に大きな価値があると考えています。ただし欲を言えば、二回目となる今回は、日米両国の専門家の強みを両国参加者で共有し、我々が直面している各種の課題を解決するための具体的な行動計画を立案できればと願っています。既存のインターネットが我々の生活に画期的な影響と貢献をもたらしたということについては恐らく全参加者が同意すると思いますが、我々の生活をインターネットに委ねる上で様々な課題が残っているということについても疑いの余地がありません。したがって、こうしたワークショップを通じて、今後持続的にコラボレーションを推進すべき研究トピックの抽出、共同研究の体制に関する議論が出来ればと思っています。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　あなたのお考えや期待に私も同意します。日本の研究コミュニティーも最善を尽くそうと努力していますが、ネットワークの物理的なレイヤーからサービスに至るまで、日本人研究者だけで全ての研究トピックをカバーすることは困難ですので、海外の研究者達とのコラボレーションを推進するということはある種の必然になってきていると思います。</p>
<p>　世界に目を転じてみると、例えば欧州やアジア諸国においても活発な研究開発の動きが観察されますが、外国あるいは海外の地域との国際共同研究の先行事例について何かご存じでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　従来「国際共同研究の推進」はNSFという組織の重要な目的のひとつでした。我々はそうした活動を奨励してきましたし、その為のプログラムやメカニズムも提供してきました。後ほどでChip氏からもGENIと欧州側カウンターパートとの共同研究の事例についてはコメントがあるかもしれませんが、共同研究の推進以外にも、学生の為の交換留学プログラム、あるいは海外の学生を米国に招聘するようなプログラムなど、世界との橋渡しをするような事業も沢山実施していますし、そうした共同プログラムを通じて我々も多くのことを学んでいます。そして最も重要な点は、こうした活動に参加している全ての人々が「現在の技術的な制約を克服し、我々が描いているビジョンを実現するようなネットワークを開発する」という目標を共有しているという点ではないでしょうか。もちろん、日本における国際共同研究のファンディングの方法と、NSFにおける方法との間には色々な意味で乖離もあると思いますが、そうしたギャップを埋め、より効果的な国際共同研究の推進方法を検討するということも、今回のワークショップにおける重要な作業課題になると考えています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>青山　ありがとうございました。現在検討されている新世代ネットワークですが、単に既存のネットワークを改善するのではなく、米国流の言い方に倣うと「クリーン・スレイト」なものであるべき、とよく言われています。こうしたアプローチを採用する場合に直面する最も大きな課題は何であるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　まず「クリーン・スレイト」という言葉の意味について個人的な見解を述べたいと思います。「クリーン・スレイトなアプローチで」という場合、これは決して「これまで積み上げてきた全てのものを放棄しよう」ということを意味するものではないと考えていますし、そうあるべきでもないと思います。<br />　クリーン・スレイトなアプローチとは、通常「ラディカルに思考する」という意味ですが、それを実行する為には、過去の出来事や教訓を冷静に観察・評価する能力が必要となります。そうした能力なしに、ここ数年で提示されたような今後のリサーチの方向性を提示すること、あるいはネットワークの設計思想に関する新しいアイディアに到達することは出来ないと思います。したがって、繰り返しになりますが、「クリーン・スレイト」とは決して過去のものを全て捨て去る、ということと同義ではないと思っています。</p>
<p>　もう一点強調しておきたい点は、いま個人的な定義としてお話しした「クリーン・スレイトな思考法」とは別の、「クリーン・スレイトな普及法（deployment）」という概念です。これは既存の技術を改善する（reinvent）する際、改善された新技術がきちんと普及することを如何に保証するか、という発想です。<br />　例えばIP Ver.6は技術的に改善されたと言われつつも、何年にもわたり新たなバグが発見され、依然として普及していません。これとは対称的にMPLS（Multi-Protocol Label Switching）――これはATMから借用してきたものですが、ルーティングなど技術的には問題があると言われつつも、有益であり、IPにはない機能を有していたことから、広く使われるようになりました。新しい技術を普及させるにあたっては、我々はMPLSの事例から学ぶべきだと思います。</p><br />
<p><font color="#191970"><strong>青山　米国ではGENIとFINDという2つのプロジェクトが走っています。FINDにおいては、プロジェクトの成果をどのような評価しているのでしょうか？あるいはそうした評価を如何にGENIでの実験プロジェクトにつなげているのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　NSFにおいてはフェースに応じて異なるプロジェクトの評価方法を採用しています。例えばFINDは3つのフェーズに分かれています。<br />　第1フェーズにおいては、ラウンティングやレイヤリング、トラフィック制御といった不変的なネットワーク・アーキテクチャーに関するアイディアや設計原則に関する知恵を出し合うことが目的とされています。このフェーズでは多数のプロジェクトが走っていますが、各プロジェクトは小規模の人数により行われ、財政規模も比較的少額です。<br />　現在実施されている第2フェーズにおいては、第1フェーズで出てきたアイディアを統合する（over-arching）段階です。第1フェーズのプロジェクトの中で第2フェーズにおいても継続すべき案件は、オブザーバー・コミッティーが各プロジェクトの成果や達成度合いを評価したうえで審査します。フェーズ1のコミッティー・メンバーは当該研究分野におけるプロジェクトの新規性の有無、フェーズ2に移るタイミング、研究の進め方がクライアント・ニーズに基づくべきか、実証分析に基づくべきか、といった点についても助言を与えています。<br />　ただし、現在フェーズ2に移っているということは、必ずしもフェーズ1の全ての研究が終わったということではありません。フェーズ1で研究されてきた要素技術の研究は未だ継続して実施して欲しいですし、それらの研究が更にフェーズ2にフィードバックされていくことを期待しています。以上がNSFのFINDにおける評価方法です。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　フェーズ2においては、いくつかの研究がGENIの施設においてテストされるべき性質のものだと思いますが、全てのプロジェクトがGENIにおけるテストが義務づけられているのでしょうか？あるいは実証試験の必要性はプロジェクト・ベースで決められているのでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　大変良い質問だと思います。我々は常に応募者に対して「アイディアの言いっ放しは駄目であり、全てのプロジェクトが、経済的な実行可能性（economical viability）、プライバシーが尊重されたメカニズム（privacy reserving mechanism）、社会的価値（societal value）といった、NSFが重視する価値と整合的な研究でなければならない」と伝えています。同時に、応募者には設計思想の正統性を立証すること、および立証するための方法論を予め明示するよう求めています。ネットワークを容易に管理するための「ネットワークの管理可能性（manageability）」に関する研究分野を例に挙げると、「容易に管理できる」というのは研究前の単なる仮説にすぎず、それらを実証する為の説得力のある方法論までセットで提示されなければなりません。それらは応募者の責任で提案書に明記されなければなりません。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ありがとうございました。次は若干細かい質問になりますが、FINDのプロジェクト遂行方法はNetSE（Network Science and Engineering ）スキームの下で何らかの変更はなされたのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　当初FINDはネットワーク・アーキテクチャーの設計という非常に特化された分野のプロジェクトでしたが、ご存じのとおり、今はNetSEの一部となっています。しかしながら、FINDとNetSEの目標は互いに矛盾するものではなく、NetSEはFINDを包含する広いスキームとなっています。NetSEは、（ネットワークで流れる）データが社会に与える影響、社会における情報の共有方法など、よりヒューマン・オリエンテッドな指向を目指しています。次世代のアーキテクチャーを設計する際には、人間社会で必要とされている課題を解決する為に有益なネットワーク・アーキテクチャーやデバイスが開発されなければなりませんので、両者の融合は必然的なものだと考えています。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　NSFはFINDやGENIの研究成果を如何にして産業界に移転していくのでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　FINDのオブザーバーが成果を見極めたうえで、産業界における活用方法に関する助言も与えています。したがって、オブザーバーがFINDに可能な限り深く関与し、FINDにおけるプロジェクトやそれらの成果を理解できるようなにすることが大前提となります。<br />　また、フェーズ2のプロジェクト審査の局面においては、極力産業界もプロジェクトに関与できるよう、審査員に対して要請も行いました。産業界も10年、15年後のネットワークの姿について考え始めるタイミングに来ていると認識し始めていると思います。もちろん、産業界に対してどの程度政府が財政支援をすべきかという議論もありますが、産業界に対して閉鎖的になりすぎることも問題です。したがって、今では産業界からの提案に対しても極力オープンな姿勢で臨んでいます。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　日本においても公的資金を使った産業界への研究助成がなされていますが、その際に問題になるのは、（税金を使って実施された研究の成果に対する）知的財産権の扱いです。米国ではどのようなルールになっていますでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　NSFは非常にシンプルなルールを適用しています。NSFの助成により行われた全ての研究成果は全て一般に対して開放されなければならない、というものです。納税者の税金により実施された研究の成果は社会全体に還元されなければならない、という考えに基づいています。</p>
<p><br /></p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ありがとうございました。続いて、Elliot氏に質問をしたいと思います。GENIではSpiral 2のプロジェクトが始まったと聞いていますが、Spiral 2のプロジェクトは如何にして選定されたのでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　まず、このようなインタビューにお招き頂きましたことを感謝したいと思います。GENIプロジェクトはSpiral方式と呼ばれる方法により発展してきました。これまでは1年間かけて実施されたSpiral 1はプロトタイプでしたが、そこで得た経験や教訓を活かしつつSpiral 2の準備を進めてきました。<br />　ただ、現在でもSpiral2の為にGENIを本格的に使い始めるのは若干時期尚早と言えるかもしれません。例えば、Spiral1で明らかになった課題としては、GENIのセキュリティーが未だ十分確保されていないこと、関与している人材は優秀であるものの層が限定的であること、設備や計測機器が不十分であることなどが挙げられます。我々は募集要項（solicitation）において、GENIで更なる改善と貢献が必要とされているこうした分野を常に明記するようにしています。クラウド・コンピューティングに関する人材の関与も不可欠です。<br />　これまで約100の提案書を受け取っていますが、それらはアカデミアや産業界からなるピア・レビュー・パネルを設置し、評価をしてもらいました。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　日本では例えばJGNというテストベッド環境があり、そのうえでいくつものプロジェクトが走っています。NICTにより助成されているプロジェクトのほかに、大学が（助成なしで）独自にJGNを活用しているような例も多数あります。GENIおいても同様の状況なのでしょうか？研究者が自分の研究の為にGENIを活用することは可能なのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　それは可能です。GENIは多様な目的の為に使われることが目指されていますが、現在は4つの実験がGENIで行われようとしています。1つ目はNASAの為に行われているDTN（disruption-tolerant networking）システムの実験、2つ目はFuture Internet Architecture、3つ目はSocial Networking and Facebookに関するもの、アドホック・ワイヤレス・ネットワークの実験です。Spiral2が進むにつれてもっと多様な研究分野の為に使われることを望んでいます。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　例えばJGN2とGENIが接続された場合、日本の研究者が共同研究の一環としてGENIを使うことは可能なのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　両国の研究者が参加するのであれば、それは可能だと思いますし、我々もそうなることを望んでいます。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　FINDとGENIの間ではどのような協調体制が取られているのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　FINDとGENIとの間のコラボレーションを行う環境は改善されつつあります。一年前にはGENIは存在していませんでしたので、これまではコラボレーションを実施しようとしても時期尚早でした。これからはFINDプロジェクトの参加者に対してGENIを使うよう奨励していきたいと思います。もちろん、研究者には研究方法の自由に関する権利が与えられていますので、我々がFINDプロジェクトにGENIの利用を強制することは出来ませんが、可能な限りの奨励はするつもりです。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　GENIのテストベッドを構築するにあたり最も重要な技術は何でしたか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　我々は極力「大規模なインフラ」を構築するということをが心がけました。そのためにも、如何にして市販設備をGENIで活用できるようにするか、如何にして信頼性の高い設備メーカーに対して若干の改良で市販設備をGENIで活用可能な形にしてもらうか、ということを真剣に考えました。これが我々が当初重視した戦略です。<br />　我々が近い将来重要になると考えている技術はオープン・フローとWimaxです。両者ともGENIと互換性を持っていますし、二つとも民間企業により提供されているからです。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　かつてのARPANETがインターネットに進化し、ビジネス面でも成功したようなかたちで今後GENIが成長することを期待していますか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　いろいろと夢は膨らみますが（笑）、インターネット的なものを発明することは容易ではなく、それこそノーベル賞ものだと思います。ですので、今は良質な研究用のインフラを構築することに専念しています。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　日本と比較して米国のインターネット業界では多くのベンチャー企業が成功していますが、NSFはベンチャー企業を支援しているのでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　日本では大企業が素晴らしい研究所を保有しています。これは米国の誰もが羨んでいるものです（笑）。<br />　質問にお答えしますと、GENIには産学の双方がバランス良く参加して欲しいと思いますが、産業界といっても大企業から起業したての中小企業まで多様な企業が存在します。我々は中小企業に対する奨励の一環として、中小企業がGENIを使って発明した知的財産権は放棄しなくても良いという方針を取っています。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　先ほどのZnati氏のお話しでは、公的資金により実施された研究の成果は原則として全て公開されるという話しもありましたが？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　私も法律については詳しくありませんが、我々のポリシーは問題ないと考えております。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　これまで日本では公的資金で実施された研究開発から派生した発明に知的財産権は与えられていませんでしたが、これは産業界からは不評でした。彼らは当然、そうした研究成果をビジネスにおいて活用したいわけですから。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　私は弁護士ではありませんが、GENIにおいては2種類のライセンシング・ルールがあり、GENIへの参加者はどちらかにサインをする必要があります。第1のルールは全ての知的財産権を放棄するというものです。第2のルールは「知的財産権の放棄はしないが、GENI参加者に対しては無償で利用させることを許可する」という若干制限的なものです。ふたつのうちから参加者に選ばせるという手法も実験的に導入されたものですので、今後どうなるか、もう少し見極める必要があると思います。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　NICTの宮原教授はNICTの助成研究に関する知的財産権政策に大きな関心を持っています。</strong></font></p>
<p>Elliot</strong>　米国では多くの大学の先生が会社を設立したいと考えていますから、参加者に選択肢を与えるという方法が望ましいであろうとGENI Project Officeが判断した経緯があります。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　NICTは次世代のテストベッドとして新しいJGNを開発しようとしていますが、日本に対する期待はありますか？</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　日本との共同研究には大きな関心を持っています。日本は光、無線、センサー、デバイスといった分野で競争力を持っていますので、こうした分野における共同研究を実施できればと思います。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　日本では新政権が財政の健全化を目指しており、テレビでは毎日事業仕分けの様子が中継されています。研究開発予算も大規模な削減が行われようとしており、とりわけ大学研究者などは長期研究開発予算の削減に憂慮しています。<br />　現在、わたしは電子情報通信学会の会長にも就任しており、最近長期的な研究開発予算の必要性を謳った声明文も発表しました。ただし、場合によってはNICTの予算も削減される可能性もあり、NGNやJGNに関する予算も削減されるかもしれません。米国におけるオバマ政権の状況は如何でしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　オバマ政権は研究開発投資が景気回復や雇用創出に貢献し得ることを認識しています。実際に現政権は深刻な不況から脱出するための景気対策として研究開発に投資していますし、NSFに対する予算も30億ドル増額しました。研究開発に投資しないというのは大変な過ちです。研究開発は連続的に行われなければなりませんし、短期的な利益を追求する産業界にとってはリスクが高すぎて実施できないような基礎研究も沢山存在します。NSFの役割は、まさにそうした研究分野におけるリスクを取ることです。もちろん研究開発投資の全てが報われるとは限りませんが、成功すれば社会全体に便益が還元されることになります。同時に、教育に対する投資も重要であることは言うまでもありません。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ということは、NSFの予算が削減される心配はされていないということですか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　もちろん予算の問題は常に心配していますし、もっと予算があればという希望はあります（笑）。ただし、少なくとも昨年度は増額になりました。</p>
<p><strong>Elliot</strong>　ここ数年、私はGENI関連の仕事で世界中を巡っていますが、各国政府や国連のインターネット・ガバナンスの重要性に対する関心はここ数年急激に高まっているように思えます。これは医療、食糧、金融システムと同様に、インターネットが我々の生活や社会にとって不可欠なものになった一方で、インターネットのガバナンスに多くの問題が残存していることに多くの政府が気付いたからだと思います。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　しかしながら、日本の一部の政治家は情報通信技術は十分発展しているから、むしろ予算はより重要な用途に使われるべきだと考えています。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　研究開発予算を狙う国内のステークホルダーではなく、海外の専門家から中立的な意見を述べてもらってはどうでしょうか？彼らの意見に耳を傾ければ、我々の生活にとってインターネット関連の研究開発が如何に重要か、みな口を揃えて同じことを言うと思いますよ。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　最近韓国を訪問し、ソウル国立大学の教授達と話しをした際、彼らも韓国における同様の傾向に問題意識を持っていました。「エネルギーや環境の方が大切でしょう」、という風潮が政府内にあると。<br />　我々は政府や政治家に対してより良い説明をする必要に迫られていると痛感しています。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　もちろん政府の予算は有限ですので政策のプライオリティ付けは不可欠ですが、エネルギー問題と同程度にインターネットの問題は重要だと思いますよ。</p>
<p><strong>Znati</strong>　諸外国の研究者が次世代のネットワークの構築に向けて研究開発を行っているなか日本が研究開発を打ち切れば、その分野で遅れを取ることは避けられません。もし私が日本人で、そんな状況に陥ったら日本政府や政治家の責任を追及すると思いますよ。</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ご助言を頂きましてありがとうございます。<br />　最後の質問に移りたいのですが、日本では若者の科学技術離れが進んでいます。さらに、科学技術の中でも情報通信の分野の人気は低下しており、優秀な学生は別の分野を専攻する傾向が強くなってきています。米国の状況は如何でしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　まさに米国でも同じ状況が起こっています。私は学生を責めるつもりはありません。むしろ長いあいだ情報通信分野の基礎をきっちりと教えてこなかった我々教育者の責任だと思います。<br />　例えばコンピュータ・サイエンスの分野を例に取ると、我々はスプレッドシートの操作方法、初歩的なJAVA言語といった「コンピュータ・サイエンス・リテラシー」の教育に偏って力をいれてきましたが、そこでは学問としての基礎が疎かにされたのです。本来のコンピュータ・サイエンスとは、まさに「コンピューティング」を理解することであり、システムを抽象化する方法を理解し、問題解決に活用するということです。コンピュータ・グラフィックの授業を履修すれば学生は喜びますが、そうした感動は長くは続かず、一年たてば冷めてしまうものです。<br />　もう一つの原因は、ICT分野では多くの職があるため、企業が必ずしも専門性を持たない学生も採用しているということと関連しています。例えばMicrosoftなどは「人工言語は入社後に一から教えるので心配せずに我々に任せて下さい。大学の先生は勉強の仕方やコミュニケーションの方法を学生に教えておいてくれれば十分です。」というスタンスです。こうした風潮は見直されるべきです。我々は、自分たちが80年代、90年代に我々がコンピュータ・サイエンスを勉強していて味わった感動を今の学生にも伝える責務を負っていると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>青山　日米ともに同じ問題を抱えているということですね。何か我々に対する質問はありますか？</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　どうすれば日米の研究者の共同研究が促進されると思いますか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　私自身も、私の学生も、米国の研究者と共同研究を実施したいと強く思っていますし、既にイリノイ大学やカルフォルニア大学サン・ディエゴ校との間でテストベッドを活用した共同研究も実施しています。ただ、そうした希望を持つ研究者は予算を必要としています。予算が確保され、両国の研究者がそれを活用するプロセスが整備されれば共同研究は自ずと進むのではないかと思います。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　私からも質問させて下さい。「近い将来のキー・テクノロジーとしてオープン・フローとWimaxが挙げられると思う」と先ほど私の意見を申しましたが、青山先生はどのようにお考えですか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　そうですね。例えばAKARIプロジェクトにおいて我々は重要な技術の抽出を行いましたが、そこではIDとロケーターの分離、ネットワークの仮想化、固定網と無線の融合、セキュリティーといった分野が挙げられました。他方、研究者の層が薄いという意味でセキュリティー分野は日本における弱点でもあります。固定網と無線の間の共同研究が促進されていないという点も課題です。日本は光技術や無線分野では競争力を持っていますが、両者の共同研究が進んでいないのです。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　日本から米国のGENIやFINDを見たときに、一番の魅力要因は何でしょうか？どのような分野で共同研究をしたいと思いますか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ネットワークの仮想化の分野でPlanetLabがスタートした当時、日本の研究者はこの分野にさほど関心を示しませんでした。したがって私個人としては、ネットワークの物理層ではなく、Upper LayerやMiddle Layerにおける共同研究に関心を持っています。<br />　米国のプリンストン大学にいた中尾先生が日本に戻って東京大学でネットワーク仮想化のプロジェクトを立ち上げましたので、彼が米国との共同研究の推進力となるかもしれません。</strong></font></p>
<p><strong>Elliot</strong>　日本との共同研究を促進するため、あるいは一般論として、GENIプロジェクトを改善する為の良いアイディアはありますか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　ARPANETと同様、新しいネットワークやアプリケーションに関する研究を行っている多くの研究者にGENIを利用してもらうことが大切だと思います。つまり、Openness（公開性）が重要になると思います。GENIの立ち上げ当初には選抜も必要だと思いますが、次第にオープンにしていくことが重要ではないでしょうか。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　日本のテストベッド・インフラでも同様にOpennessが追求されているのでしょうか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　研究計画を提出すれば誰でも無料で利用することが出来ます。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　米国の研究者も使うことが出来るのでしょうか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　日本へのアクセス・ラインさえ準備すれば、米国の研究者に対しても無料で開放されると思います。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　日本のテストベッドは誰が所有・運用しているのでしょうか？政府でしょうか？産業界でしょうか？</p>
<p><font color="#191970"><strong>青山　産業界は関与していません。例えばSINETは文部科学省が所有していますので、商業利用でなく研究開発目的であれば無償で利用できます。事実、既に多くの米国人研究者がJGNを使って日本のカウンターパートにアクセスしていますよ。</strong></font></p>
<p><font color="#191970"><strong>本日は長い間インタビューにおつきあいして頂き有り難うございました。今後も継続的に協力してききましょう。</strong></font></p>
<p><strong>Znati</strong>　こちらこそ、ありがとうございました。</p>
<p><strong>Elliot</strong>　ありがとうございました。</p>
<p></p></strong></font></strong></font>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜齊藤　忠夫氏（東京大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/04/post-11.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.26</id>

    <published>2010-04-06T02:38:35Z</published>
    <updated>2010-04-07T07:44:23Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のネットワークに関する課題、新世代ネッ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のネットワークに関する課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、産学官連携のあり方、本フォーラムの活性化方策などにつき、本フォーラムの会長で、東京大学名誉教授の齊藤忠夫先生に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）<br /></p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―現在のネットワークに関して、どのような問題点や課題を感じていらっしゃいますか？</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　過去のすべてのネットワークは、「人間が人間に情報を伝えるもの」としてしか考えられてきませんでした。その普及が全人口に及ばなかった時代には「人間」を市場とした技術での成長がありました。<br />　今や、通信もコンピュータも、地球上の全人口に普及するようになりました。特にコンピュータについては、2000年までは10年ごとに10倍のペースで普及台数が増加し、性能も10年で10倍のペースで向上するなど、エレクトロニクスの需要を築いてきました。<br />　2030年以降に目を転じると、現在の高性能コンピュータの100倍の性能の端末を、人口の100倍の台数、利用できるようなネットワークが求められています。こうした将来のネットワーク環境では、機械が通信の主体を担うようになると考えられます。しかし、現時点では、インターネットを含め、機械間の通信の需要を実現するネットワークは存在していません。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―既存のネットワークの課題が克服された場合に、期待される社会経済的な効果やビジネスチャンスについてのお考えをお聞かせください</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　まず、ネットワークは、大きなビジョンのもとで汎用性を持って世界規模で形成されるものである、ということを念頭におくべきです。そして、すべての問題解決のための共通の基盤となるものでなければならないと思います。<br />　ネットワーク研究が社会の役に立つ研究であることは当然のことです。実際、世の中には多くの社会的な困難が存在しています。<br />　一方で、ネットワークの当面の効果ばかりにとらわれることには大いに問題があります。それぞれの研究で、個別の社会問題の解決に役に立つことを主張していると、その目的を満足すれば良しということになってしまいます。狭い目的で役に立ったシステムは、それ以上に発展しなければほどなく消滅してしまうでしょう。つまり、将来のネットワークの基礎となる「汎用性」の実現の阻害要因になりかねないのです。こうした留意点を踏まえ、広い視野で将来のネットワークの研究を進めてほしいと思います。</p>
<p>　なお、機械間通信については、個人の安全安心の向上、経済性を考慮した医療の高度化、自動車の実質的無事故化などを実現する鍵になると考えられます。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―ネットワークの課題克服に関して、国内外の研究開発動向はいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　機械間通信に関していうと、世界で行われている研究のなかで、先ほどご説明したビジョンに沿うものは少ないのが現状です。<br />一部を実現するアイデアとして、CCN（content centric network）の研究は進んでいます。これは、相手のアドレスを知らなくても、知りたいコンテンツを指定するだけでその情報源につながるネットワークです。ただし、これは人を利用者としている点では「近未来的」といえます。<br />　国内外におけるNWGNの研究開発の全体的な傾向としては、いずれも「Security」、「Manageability」、「Real time性」を配慮し、「新しいネットワーク機能・サービス・アーキテクチャ」、「社会のニーズ・有用性」を主張したものとなっています。<br />　多くの研究は個別的で、多様な機能を統合し体系化したものにはなっておらず、新世代ネットワークの姿は見えていないのが現状です。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークの実現に向け、望まれる産学官連携の姿や前提となる制度改革につきまして、ご意見をいただければと思います。</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　現在の政府の研究開発は「何に役に立つか」を問いすぎています。ネットワークの研究でそれをやれば、中途半端で多様なネットワークが乱立し、しかもどれも役に立たない、という結果に陥ります。これは過去においても起き、現在も進行しています。<br />　当面の効果を求めることがネットワークの研究開発では無意味である、ということを理解することが、日本で競争力を持つネットワークを作る基礎になるでしょう。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―日本が競争力を有し、イニシアティブを取れる技術についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　私が冒頭に述べたビジョンは世界にも珍しいものであり、日本の今までの実績から競争力は十分にあると考えます。<br />　ただし、ネットワークは、オープンに多様なアイデアを世界から集めて発展するものであることを念頭におくべきです。<br />　技術をまず日本で展開し、しかる後に世界に展開してイニシアチブをとる・・・、というシナリオを描いても失敗する、ということは、今では広く常識になっています。考える範囲が保守化してネットワーク研究の発展を阻害しないよう、注意が必要です。<br />　また、ネットワーク研究では、初期には「需要はない」と言われやすい傾向があります。この時期をいかに克服してゆくかが重要です。<br />　過去には、常識的にみると需要がないと考え、開拓しなかったところが敗者となっています。常識の壁を超えて、将来の需要の有無や、具体的に何が求められるのかを検討する必要があります。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―フォーラム活動に期待される役割と課題についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>齊藤</strong>　現在世界で行われている新世代ネットワークの研究の多くは、既存のネットワークの性能を従来の延長上に拡大しようとするものです。延長線上のこだわりを一度捨てて議論することが望ましいと考えます。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong><br /></p></font>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜後藤　厚宏氏（NTT情報流通プラットフォーム研究所）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/04/ntt.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.25</id>

    <published>2010-04-06T02:17:34Z</published>
    <updated>2010-04-07T07:44:14Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のインターネットに関する課題、将来のネ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のインターネットに関する課題、将来のネットワークに対する期待などにつき、クラウド・コンピューティング等の研究をされている、NTT情報流通プラットフォーム研究所の後藤厚宏所長（<a href="http://www.ntt.co.jp/islab/org/pf.html">紹介HP</a>）にお話を伺いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）<br /></p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―情報通信技術を研究されているお立場から、現在のインターネットにはどのような課題・問題があるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　第一に、インターネットの問題点として「セキュリティ」という回答がなされる場合が多いように思えますが、私はこれがインターネット固有の問題とは考えていません。どのような技術であっても――例えば鉄道や電話が良い例ですが、世の中に普及し、生活の一部になっていく過程で安全性やセキュリティ面の観点から課題が生じますし、全てが解決されるような夢のようなモノなどはないと思います。重要なことは、社会・企業として継続的にこうした課題に対応していくということではないでしょうか？<br />　セキュリティを論ずる際に「人々に悪意がなければ・・」という仮定で議論がなされる場合もありますが、こうした仮定自体が前提として意味をなさない場合もあると思います。もちろん、自他共に悪意を認めるようなケースもありますが、他人から見ると悪意があるように思えても、当の本人には全く悪意がないといったグレーなケースもあるからです。</p>
<p>　第二に、インターネットの技術的な課題については様々な議論がなされていますが、これとは別の問題として、例えばドメイン名の管理・割当方法に代表されるように、議論の方向性が各国の国益・思惑に振り回されているようなケースがあるようにも思います。GDPのように国の経済規模に基づいてドメインを割り当てるべきという意見もあれば、各国平等に割り当てるべきという意見もあります。「公平とは何か」を巡り様々な主張が衝突していますが、ユーザの利益という観点から離れて議論が思惑に左右されることは望ましくないと思います。</p>
<p>　最後に、私の専門領域のひとつであるクラウドの研究という観点から申し上げますと、ブームだからという理由で研究を進めるのは危険だと思っています。ブームが去り、ビジネスにならなくなった時に「企業の都合でサービスを止めます」と言ったのではユーザが困ってしまいます。社会基盤となりうるものについては、そのインフラが維持され、きちんと運用されるための仕組み、それから安心感が不可欠ですし、そのためには他の多くの企業が研究開発投資を行うということもひとつの前提となってくると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―ありがとうございます。次に、新世代のネットワークの実現に伴い、どのようなビジネス・チャンスが創出されるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　これはあくまで個人的な見方ですが、現在のインターネットは電話網という基幹ネットワークの上で提供されるという前提で成り立っているサービスです。ネットワークの研究開発投資という観点からは、弊社はNGNを推奨していますが、今後はインフラ網自体が変化していくことになりますので、当然それを前提としてサービスも再構築していく必要があると思います。インフラ網の進化の過程では、仮想網、トラフィックのハンドリング方法など、様々な技術が切磋琢磨していく必要があると思います。</p>
<p>　そういえば、欧州委員会のFP7に参加している方と話す機会があったのですが、「今後はネットワークのコンポーネントのソフトウェア化が進み、そこでの競争が生まれるので、早い段階で技術標準やルールを決め、皆にそれを従わせるという世界は成立しなくなるのでは」という話しになりました。つまり、ある程度の競争やイノベーションを経たうえで、ITU等で標準化や決め事を行うという順序になるのではないでしょうか。もちろん、特定技術を一社に頼ってしまうことについて、世界全体としてリスクをヘッジしておくことは必要ですので、要所要所で政府や企業が必要な対応をとる局面もあるかと思いますが、新しいネットワークに関する標準化がすぐに必要とは限らないと思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―クラウドや仮想化といった分野における国内外の研究動向についてご紹介いただけますか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　一時期「ユビキタス」という言葉が流行りましたが、その言葉のとおり、ユーザが物理的な制約から開放されることが一番重要だと思いますし、新世代ネットワークやクラウドもそうした観点から位置づけられるのではないでしょうか。<br />　これまでは、コンピュータの計算資源の性能・容量で実行可能な作業の内容が制限されていました。クラウドが実現すれば、その制約が外れていくことになります。「携帯電話用電話帳預かりサービス」も端末の制約から開放されている一例です。<br />　今後は端末のみならず、ネットワークの仮想化という方面で技術の開発が進んでいくと思います。また端末の仮想化にあたっては、ネットワーク側との協力体制も必要となります。遅延の問題をはじめ、パケット処理の運用方法などは両者の協調が不可欠だからです。こうした技術が進展すれば、ネットワーク事業者にとっても、ユーザにとってもハッピーな状況が構築されると思います。<br />　ただし、いま現在何が一番制約になっているかは人によって異なっています。自分は地下鉄通勤をしていますので、無線インフラが物理的な制約になっています（笑）。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―お話しいただいたような新たな技術の開発を促進していく過程において、政府はどのような役割を果たすべきだとお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　リスクが大きく、長期間かけて行うような基礎研究はどうしても必要となります。政府の助成研究の研究期間が近年総じて短縮傾向にありますが、実用化可能な研究から基礎研究まで、内容に応じた期間の柔軟性が必要だと思います。また全ての研究において産学官連携が最適というわけでもなく、産学連携、学官連携、産官連携とケース・バイ・ケースで組み合わせていくことも重要だと思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークに関連しうる技術のうち、日本はどのような分野に積極的に関与すべきだとお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　先ほどの助成研究の話しとも関連しますが、とにかく日本は大型のプロジェクトに積極的に関与すべきだと思います。最近は世界的にも大規模な研究プロジェクトが少なくなってきています。ということは、大規模プロジェクトの中で生まれる副産物的な技術も少なくなってきているということです。<br />　アポロ計画の直接の目的はスペースシャトルで人間を月に送ることでしたが、命を左右しうる技術を開発する過程で、信頼性設計技術、莫大な量のソフトウェアを自動的に検証する技術、あるいはソフトウェア技術者の人材育成方法まで生まれました。しかし今では世界的に見てもこのような大規模プロジェクトはほとんど無く、そのことについては危機感を感じています。日本でも大型コンピュータを作る・作らないで色々と議論がなされていますし、宇宙ステーションも米国一国ではなく、国際共同で開発されていますよね。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong><br /></font></p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜後藤　滋樹氏（早稲田大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/04/post-10.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.24</id>

    <published>2010-04-05T01:06:11Z</published>
    <updated>2010-04-05T01:22:19Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のインターネットに関する課題、将来の情...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のインターネットに関する課題、将来の情報通信技術の利活用のあり方、技術革新における政府の役割などにつき、本フォーラムの推進委員会の委員で、早稲田大学理工学術院の後藤滋樹教授（<a href="http://www.goto.info.waseda.ac.jp/index-j.html">紹介HP</a>）にお話を伺いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―インターネットをはじめとする既存の情報通信技術にはどのような課題や問題があるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　一言で申し上げますと、「新しい技術は豊富に存在しているのに、アプリケーション側で手詰まり感がある」ということではないでしょうか。多少乱暴な言い方ですが、既存のアプリケーションのほとんどは紙、鉛筆、定規、通信手段といったものが電子化されたに過ぎず、いわば「電子文房具」的な領域に留まっているということです。最近はTwitterなどの新たなツールも登場していますが、概念的にはポケベルやショートメッセージとほとんど変わらないと思います。金融の分野でも情報通信技術の活用が不可欠になりつつありますが、株取引などは昔からやっていた作業をパソコン上でやっているだけであり、これも文房具レベルです。企業経営における利活用についても、コストダウンや能率化という局面での活用は相当進展しましたが、さらに一歩進んだところの経営判断の局面での活用という意味ではあまり進んでいません。NGN（次世代ネットワーク）についても、技術的には多様な可能性がひろがっているはずなのに、使いこなせるユーザが少ないためにビジネスとしてはあまり伸びていません。NGNが使いこなせないのに、さらに先の新世代ネットワークを使いこなせるのか、という問題意識は持っています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―今後我々は情報通信技術をどのように活用すべきか、もう少し具体的にお聞かせいただけますか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　例えば社会的な合意形成の局面における利活用があげられます。外交政策にせよ、国の借金問題をはじめとする内政の問題にせよ、いま日本は国としてクリティカルな問題を多数抱えています。この時代に生きる我々の判断で、今後の国の方向性が大きく変わる可能性が高いわけです。他方、政治家の判断は常に遅れがちです。マスコミにも立場があり、報道内容の中立性という意味で若干疑問があるようなケースも散見されます。<br />　つまり、本来であれば特定の政策のA案、B案につき、国民がメリット・デメリットを十分に知らされたうえで社会としての合意形成や選択がなされるべきところ、現状ではそうした理想から相当乖離しているのではないでしょうか。国民投票や電子投票の必要性も叫ばれていますが、セキュリティ、個人認証、匿名性といった観点から慎重な意見が多数出ています。しかしながら、これも本当の世論なのか、実は疑わしいわけです。住民基本台帳ネットワークの問題についても、本当はどういう人々が反対していたのか、これを悪用した事例が実際にどの程度起きたのか、そうした精査もなされていません。<br />　もちろん、全国民が全ての情報を処理することは不可能ですので、情報処理についても社会的な分業は必要かもしれませんが、今後は社会的な合意形成の局面における情報通信技術をさらに本気で模索する必要があると思います。適切な判断材料が流通すれば、日本人は十分賢い判断ができるでしょう。<br />　それから、国の各種統計や公開情報についても、現在は人海戦術的にデータを作成していますが、自動的に原データが記録・収集されるような仕組みがあっても良いかもしれません。例えば電子貨幣の匿名性を放棄しても良ければ、ケインズの乗数効果が実証できるわけです。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワーク、あるいは情報通信技術のさらなる発展に向け、日本政府はどのような役割を果たすべきだとお考えですか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　「経済成長のために必要な労働力、資本、技術革新という要素のうち、日本では労働者の数は減っていくのだから、これからは技術革新だ」とよく言われていますが、研究開発分野で米国と競争していくのは非常に分が悪いと思います。<br />　米国と日本では国の成り立ちが違っています。米国のシリコンバレーの成功の背景を紐解くと、米国では中央政府の役割というよりも、社会全体としてリスクテイクするというカルチャー、それに裏付けられた民間セクターの活力が最大の原動力でした。「海外から技術を持ってきて咀嚼し、改善する」という日本の得意芸は今でも続いていますが、「トータルで儲かれば良い」という考えの下、大規模なベンチャーキャピタル会社が成功率５％という状況でも企業に投資するような文化は根付いていません。<br />　それから、労働市場の流動性が低いことも、日本のベンチャー投資を阻害している一因かもしれません。米国のベンチャー・キャピタリストもシリコンバレーで生まれる最新技術を熟知しているわけではなく、彼らは「良い人材がどの会社に集まってきているか」を観察し、それをシグナルとして良い会社を見極め、投資をしています。しかしながら、日本では人が動きません。動くと損をする仕組みがあったり、新しい組織を作ろうとしても既得権が存在したりするんですね。始発駅からバスや電車に乗った人が座席をどかないのと同じです。だから制度もなかなか変わらないし、人も動かない。江戸時代の幕藩体制からあまり変わっていないんです。大学に入らない人を浪人というくらいです（笑）。<br />　日本では民主導で意識的に何らかのプロジェクトを推し進める方法よりは、むしろ暗黙のうちに産業として共通のビジョンを持ち、邁進するという方法に強みをもっているような気がします。日本で民間主導で社会的に物凄い影響を及ぼしたプロジェクトはありますか？TRONプロジェクトも電子情報技術産業協会（JEITA）の前身の一つである日本電子工業振興協会（電子協）が受け皿でした。つまり経済産業省主導です。そのような意味で、日本が国民国家として見習うべきは米国ではなくカナダだと思います。カナダは国策として、ヨーロッパにも注意を払いつつ非常に戦略的にやっているようですから。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―ありがとうございます。次に、新世代ネットワークに関連する技術で、日本が潜在的に競争力を有し、イニシアティブを取れる技術としてはどのようなものが考えられますでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　光コネクタ、光スイッチなど、個別技術について優れている部分もありますが、日本が誇るべきは運用サービス、運用技術の水準だと思います。サービスの品質、安定性ともに海外と比較しても突出しているのではないでしょうか。電波の特性を熟慮して、携帯電話の上りと下りの周波数を他の国と変えるといった発想も日本発のものです。<br />　しかしながら、このような「サービスの品質」は必ずしも定量化されておらず、日本の運用技術の水準が相対的にどの程度高いのか、客観的には示されていません。国際競争力の高い分野については、その水準を適切に計測する方法を確立したうえで、地球の裏側にまで伝えていく必要があると思います。ドイツなどは職業訓練に関連する枠組みを国家標準（DIN規格）で定め、さらにはISOの場でも国際標準化しようとしています。日本も技術の用語や品質の計測方法等に関する国際標準をつくり、自国の強みが適切な評価を受けるような下地をつくっておくことも重要な戦略かもしれません。<br />　ただ、日本のサービスを国際化するうえで、言語が障害になるかもしれません。これまで日本の人口は１億強おり、サービス分野では言語という障壁により外国企業との競争から守られてきた部分もありましたから、国内市場重視型のビジネスでも何とか成立していました。しかしながら、これが逆にガラパゴス化をもたらしたことは言うまでもありません。今後は人口も減少しますし、経済の規模も縮小するでしょうから、国際市場に目を向けたサービスに転じていく必要があると思います。その際には、やはり日本人の言語能力の問題をクリアする必要があると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―運用サービスのほかには何かございますでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　そうですね、文系と言われている分野と融合する形で、日本初の何かが出てくると非常に嬉しいですね。つまり、先ほども申し上げましたが、社会全体や経済の動きを計測・視覚化し、意思決定に上手く使っていくような仕組みです。経済活動というと「売買活動」というイメージを持たれるかもしれませんが、私はむしろ社会全体・組織・会社というより広い意味での経済活動をイメージしています。時計、温度計もそうですが、「見えないものが見えるようになる」というのは科学技術の重要な一側面です。<br />　例えば、最近では製造業における派遣労働者の雇用問題が非常に切実な問題となっていますが、労働市場における就職のマッチングにも情報通信技術をもっと有機的・効果的に活用することが可能かもしれません。あるいは、日本人の３分の１が鬱型と言われてますから、メンタルサポートのために情報通信の技術を効果的に使うことも必要でしょう。また、わかりにくい法律や制度を自動的に教えてくれるような仕組みがあれば便利でしょうし、社会的な合意形成の分野でのさらなる活用も重要です。情報通信技術がなかった時代に生まれた「議会制民主主義」のあり方を見直し、例えばダムの問題、基地の問題など、重要な局面で本来であれば情報通信技術をもっと活用できるはずです。<br />　こういうものが「電子文房具レベル」を超えて生まれてくると、社会と一体感のある情報通信の発展、あるいは社会としての進化というものが実現するのかもしれません。そのような意味で、社会科学の分野の研究者との連携は今後ますます重要になると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークに関する重要な技術として「仮想化」というキーワードがあげられるという意見もあるようですが。</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　現状のTCP／IPも、IPという頼りないものの上にTCPがのっているという意味において、実は仮想化という発想でつくられているものです。仮想化技術が今後発展していくことは間違いないと思いますが、現在でも盛んに使われていますから、「仮想化」それ自身が新世代ネットワークのキーワードになるのか、それはわかりません。</p>
<p>　韓国や米国をみていますと、無線が重視されているように思います。米国のGENIは方向性が収斂されてきています。日本からはNECが非常に積極的に参加しており、オープン・フローの技術についてスタンフォード大学等と共同でライブデモンストレーションを行っているので有名です。<br />　ただし、日本では無線用の電波はほとんど割当済みとなっており、韓国のように柔軟なテストベッド環境を用いて電波技術の実験を行うことは難しくなってきています。厳格な電波行政も重要ですが、日本でも研究開発のための自由度が確保されることが望ましいと思います。あるいは、win-winとなる提案をしつつ、外国で実験をやらせてもらうという方法も今後は検討に値するのではないでしょうか。それから無線の分野については、もう少しコンピュータの専門家と無線の専門家との共同作業が深化しても良いと思います。その辺は韓国の方が進んでいるのではないでしょうか。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―フォーラムに期待される役割と課題につきまして、少しお考えをお聞かせいただけますか？</strong></font></p>
<p><strong>後藤</strong>　私自身、フォーラムの各種イベントは参加しています。広報は必要ですね。<br />　現段階では、まずは新世代ネットワークが注目されることが必要だと思います。そのためにも、イベントや広報戦略は非常に重要であると思います。<br />　広報すべき対象としては、関連分野の技術者はもちろんですが、心理学や経済学など、実用化の局面で貢献してもらえそうな分野の研究者についても、協力してくれそうな人々には積極的にアピールしていくべきだと思います。今現在、学際的な研究が行われていないのはそれなりの理由があるからだと思いますが、とにかくまずは共同研究を実施し、そうした課題を明らかにしていくことが重要だと思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong><br /></p></font></font>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性｜井上　真杉氏（（独）情報通信研究機構）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/03/post-9.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.23</id>

    <published>2010-03-29T01:24:38Z</published>
    <updated>2010-04-05T01:16:20Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のネットワークに関する課題、新世代ネッ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のネットワークに関する課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、産学官連携のあり方、本フォーラムの活性化方策などにつき、独立行政法人情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）の井上真杉研究マネージャーに取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）<br /></p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―現在のネットワークに関して、どのような問題点や課題を感じていらっしゃいますか？</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　地域内で生じ、地域内で利活用される情報の扱いに関する問題があります。本人や家族、地域に関わるセンサー情報など、その地域内で流通すればよい情報が、携帯電話網や無線ＬＡＮホットスポットを経由してインターネットなど広域網側に置かれるサーバに集約されています。情報伝送中およびサーバでの蓄積中の安全確保の問題がありますし、通信の効率性や通信遅延時間の観点からも良くないのです。</p>
<p>　ＩＰアドレスの問題もあります。インターネットではＩＰアドレスが２つの役割を同時に果たしています。装置を識別するための機器識別子（通称ID）と、装置が接続されているネットワーク上の位置を示す識別子（通称ロケータ）の２つです。そのため、１つの装置が複数のネットワーク接続機能を持ったり、逆に１つの装置があたかも２つの装置であるかのように見えたりすることで可能となる多様な通信形態を実現しにくくなっています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―既存のネットワークの課題が克服された場合に、期待される社会経済的な効果やビジネスチャンスは如何なるものですか？</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　自治体主導で地域ネットワークを構築したいと考えている自治体は少なくありません。たとえば、2006年時点で世界150以上の自治体が地域ネットを構築しています。自治体の強いニーズを満たすネットワークが実現することにより、地域社会の様々な問題が解決され、その結果として、ネットワークを利用する新しい広告配信サービス、児童・高齢者見守りサービス、地域内の詳細な天気情報配信サービスなど、今はないサービスとそれらを提供する企業の誕生を期待できるでしょう。またそれに伴って、地域や個人の生活環境の質向上、地域の既存ビジネスの活性化、新規ビジネス創生、新規雇用創出なども期待できるのではないでしょうか。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―先ほどあげていただきました既存のネットワークの課題克服に関して、国内外の研究開発動向はいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　私はNICTで「地域情報共有通信網NerveNet」の研究を行っています。これは地域の神経網としての役割を果たすもので、たとえば、ネットワークに接続されたセンサーが、気象、交通、災害、防犯などの地域事象や家族や個々人の動きなどを感知し、それらの情報に基づいて地域や個々人が求める情報やサービスを提供したり、将来的にはネットワークに接続されたロボットに指令を出したりといったことを実現していくための研究です。<br />　インターネット型センサーネットワークの研究事例は国内外で多いですが、地域の社会インフラとしてセンサーも収容する地域ネットワークを研究する事例は私の知る限りでは、この「地域情報共有通信網NerveNet」以外ありません。しかしながら、モノ同士をつなぐインターネット（Internet of Things）やM2M（Machine to Machine）に関連する通信技術の研究開発や実証実験計画が欧州、韓国、中国では行われています。特に韓国と中国は通信技術を含む新しいICTを都市に実装して大がかりな実証実験環境を構築していく過程にありますので、その動向には注目していく必要があります。<br />　このほか、ＩＰアドレスの「１つ２役」に起因する諸問題を解決するための「ＩＤロケータ分離通信アーキテクチャ」の研究を行っています。国内では慶應義塾大学、関西大学などの研究事例があります。国外では、ワシントン大学、シスコ社、エリクソン社などが研究しています。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代ネットワークの実現に向け、望まれる産学官連携の姿や前提となる制度改革につきまして、ご意見をいただければと思います。</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　研究開発に関していえば、要素技術の基礎研究の段階では、大学や国研を中心に問題解決のための多様な研究が行われることが重要だと思います。それらの研究成果を踏まえ、新しいネットワーク全体を総合的に設計していく段階では、実用化を円滑に進めるためにも民間企業が多く参加した形での産学官体制で進めることが有効です。大規模な技術検証が可能な研究開発実証基盤（テストベッドネットワーク等）により、技術検証をしっかりと行い、ネットワークの有効性や性能限界、商用化のための課題の洗い出しなどが十分に行われることが重要です。<br />　さらに次の段階では、ユーザ参加型で有益なアプリケーションについて、実際に体験できる商用に近い形で、実証実験が行われることが大切です。数日の実証実験ではなく、最低でも数ヶ月におよぶ長期運用型で行う必要があります。これにより商用化のために大切な安定性を確保するための技術検証と技術改良を行うことができるからです。<br />　また、サービス提供を行う多様な業界から多くの企業に参加してもらうことも重要だと思います。それと同時にビジネスモデル開発や既存の法制度の問題点把握と法改正に向けた検討も必要でしょう。<br />　そして、ユーザ参加型長期運用実証実験は、ユーザや社会にとっては新しいネットワークがもたらすサービスやアプリケーションの有効性、有益性を知ることができ、その必要性を認識してもらうことができると私は考えます。</p>
<p>　政府の役割としては、基礎研究段階では研究課題のある程度の重複を許容することが求められると思います。「ある技術的な問題を解決する」というひとつのテーマにおいて、解決手段は複数ありえます。研究を始める前には、それらのうちのどれが有望かは不明です。したがって、候補となる解決手段をそれぞれ深く検討する必要があります。要するに、多様性を許容するスキームが必要だと私は思うのです。<br />　また、実用化が見えるところまで後押しすることも政府の重要な役割です。中途半端なところで政府のバックアップが終わってしまうと、せっかく良い段階まできていた研究開発の成果が実世界に入っていかずに終わってしまうケースがあるからです。</p>
<p>　「研究」と「開発」を明確に分離する必要もあると考えます。「研究」の主体は大学や国研に設定します。なぜならば、先ほど申し上げたように研究の重複を許すことが必要ですし、明確な定量的な到達目標を設定しにくい場合も多いことから、成果の評価指標も一律ではなく個々の研究内容に沿ったものであるべきだと思うからです。<br />　一方の「開発」は、研究成果を踏まえたうえで、複数の技術を統合してひとつのシステムを作り上げるケースに相当するため主体は企業になります。そのあとの実用化を十分に意識し、コストや性能を考慮した設計が行われなければいけませんし、研究に比べると達成目標の数値化を行いやすいと予測されます。ある程度の規模のシステムを試作し、その評価をしっかりと行います。並行して標準化活動を行うケースも考えられるでしょう。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―日本が競争力を有し、イニシアティブを取れる技術についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　センサー素子そのものに関して日本は技術的に優位であると思われます。しかしながら、ネットワークに接続可能な商用レベルのネットワーク型センサーはまだ市場投入されていません。これは海外企業でも同様です。研究領域のユーザは、センサーをネットワークに接続するための装置を試作し、その装置を介してセンサーをネットワークに接続している場合が多いです。このようなことから、技術優位にあるセンサー技術を拠り所に、ネットワーク型センサーの市場投入を早期に行うことができれば、市場をリードできる可能性があります。<br />　サービスの面では、センサー情報を利用した多様な状況適応型サービスは、おもてなし・気づきの精神を持つ日本人の得意とするところであり、日本的なサービスが諸外国において評判が良いことからも日本がイニシアティブを取れる領域です。日本国内においても、センサー情報を活用した多彩なアプリケーションが具体化されれば、各地域で新規ビジネスを創生させ、新たな雇用創出と生活品質の向上、地域・日本の社会問題解決に寄与することは疑いありません。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―フォーラム活動に期待される役割と課題についてはいかがでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>井上</strong>　フォーラムには企業、大学、国研といった多様な組織からの参加があり、企業参加者の職種も様々なので、産学官連携のあり方やビジネスモデル検討、ユーザ参加型実証実験の計画検討と実行などが期待できると思います。<br />　しかし、その一方でフォーラムの目的が弱いと感じます。フォーラムのアウトプットとして、フォーラム標準規格を作る、業界としての意見をまとめて政府機関に提言として提出する、といった目標設定をすることにより、フォーラム活動が活発になるのではないかと考えます。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong></font><br /></p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性（リアリティメディア）｜田村　秀行氏（立命館大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/03/post-8.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.22</id>

    <published>2010-03-01T07:14:46Z</published>
    <updated>2010-03-04T03:24:52Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のインターネットの課題、新世代ネットワ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のインターネットの課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、ネットワークを活用したビジネスの考え方、わが国の政策的課題などにつき、リアリティメディア（仮想と現実を融合する「複合現実感」や触力覚を活かした「タンジブルインタフェース」など）の研究に従事されておられる田村秀行先生（立命館大学 情報理工学部 メディア情報学科 教授）（<a href="http://www.rm.is.ritsumei.ac.jp/~tamura/index.html">紹介ＨＰ</a>）に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。（本文、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―現状のインターネットを利用する際にどのような問題点や不安をお感じですか？</strong></font></p>
<p><strong>田村</strong>　画像・映像関連技術の研究開発に携わってきた者としては、高精細な画像を平気で電子メールに添付したり、ネットからごく普通に映像データをダウンロードしている現状をみると、今昔の感があります。かつて個々に専用の入出力機器や保存記憶媒体を用意していたのに、ディジタル形態をとることにより、画像・映像データが他のデータと区別なくPCで扱え、ネット上を流れるようになったためだと思います。 <br />　その半面、この10数年の間に、一気にIP接続、ベストエフォート型のサービスに情報インフラの大半を頼るようになったことに危険性を感じています。誰でも接続でき、誰が管理しているかが明確でなく、誰も制御できない無政府状態のネットワークに、これほど多くのものを委ねてしまって良いのでしょうか？ サイバーテロや個人情報流出などに対する安全性・信頼性問題とは別に、データ量の爆発的な増加と渋滞に不安を覚えます。<br />　TV・映画・ゲームソフトなどの高画質化が進むなか、HDレベルの映像がネット上を大量に流れ出すことは確実です。これまで、PCの高速化・低価格化、その記憶媒体の大容量化、通信回線の高速化等の微妙なバランスの上で進展してきた画像・映像データ利用の大衆化は、映像の高精細化、利用頻度の増加で、ネット上の大渋滞を引き起こすのではないでしょうか。その場合には、緊急性の高い、わずかなデータの授受も麻痺することでしょう。（無責任で安直なサービスを提供する）YouTubeなどの利用数の増加を見るにつけ、その不安が増します。<br />　この問題は、一見、大都市圏の通勤地獄、交通渋滞と酷似しているように見えます。誰もが個々の利便性を求めた結果が、社会インフラ上の大問題を引き起こしている訳です。インターネットの場合、一地域、一国でのコントロールが困難なだけに、問題解決はより難しいと考えられます。<br />　何でもかんでもインターネットに頼る風潮を改めるには、業務用、特殊用途での利用に適したネットワーク・サービスが、適正な価格で提供される必要があると思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―既存のインターネットの課題を克服するような新たなネットワークが実現した場合に最も期待される社会経済的な効果またはビジネスチャンスは如何なるものですか？</strong></font></p>
<p><strong>田村</strong>　ビジネスチャンスは、いくつもの偶然とビジネスセンス（山師的感覚？）に秀でた人物によって拓かれることが多いので、その質問に大真面目に答えるべきですかね（笑）。<br />　強いていうなら、そのヒントは16〜18年前のマルチメディア・フィーバーの頃に語られた未来予測図のなかにいくつも見つかると思います。その頃に多数作られたプロモーション・ビデオや、良質のSF映画の中には、誰もが「あればいいな。手に入るなら、使いたいな。」と感じている物やサービスが描かれているはずです。<br />　今後、もっと画像・映像利用が増え、個人利用の体験型コンテンツが増えてくることだけは間違いないでしょう。そのための情報メディア技術の発展は確実ですが、それをどのようにビジネスチャンスに結び付けるかは、別の問題だと思います。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―将来のネットワークの開発と普及の実現に向け、産学官連携のあり方や前提となる制度改革につきまして、ご意見をいただければと思います。</strong></font></p>
<p><strong>田村</strong>　（省庁間の縄張りもあるのでしょうが）この問題を、「ネットワーク」にだけ限定して考えていること自体が不適切だと思います。もはや、「ネットワークの開発と普及」は、AV機器、携帯型情報機器の発展と切り離して考えることはできないのですから。<br />　そうした半面、PCの低価格化、コモディティ化が進んだことにより、情報技術の革新が停滞している感があります。極論すれば、1995年頃より、コンピュータやネットワークの利用形態に大きな変化がなく、単に高速化・高精細化・大容量化・大衆化が少し進んだだけのように見えます。<br />　若い研究者から見れば、挑戦したい課題が（身近に）見当たらないのじゃないでしょうか。大学や国立研究所の相対的地位は低下し、民間企業から見れば公的資金による研究成果に魅力がありません。同様に、大手企業の研究所の地位も低下し、基礎研究・先端研究の比率も年々減少しています。情報技術分野に関しては、R＆Dギャップを埋める健全な研究開発体制が崩壊し、いきなり大量消費の民生品での利用が優先されているように見受けられます。<br />　その一因として、半導体や液晶パネル等の生産ラインに多額の投資を要するゆえに、大量生産の標準品にしか供給されないこと、PCが低価格ゆえに、入出力機器もソフトウェアもそれに見合う価格帯のものしか市場投入されず、斬新な新技術が試しにくいことが挙げられます。要するに、未来の利用形態を探るうえで必要な上流技術のタネを創出し、試験投入する場が失われていると感じます。<br />　かつて、情報関連の先端技術は、ARPA（＊1）やNASAの研究支援、わが国の大型プロジェクトが大きな役割を果たし、未踏技術への挑戦を行い、副産物も多々生まれてきました。わが国では、公的研究開発費は増加しているものの、集中投資はなされず、薄く広くのバラマキ型に転じている印象が強いです。貨幣価値を考えれば、現在の１桁か２桁上の大型プロジェクトが必要であると感じています。<br />　現在及び近未来の情報関連技術（ネットワークを含む）に関しては、「多額の研究予算を使って、壮大なことを考え、世の中に影響を与える」という発想がないように思います。少なくとも、そういう着想と気概をもった中堅・若手研究者を育成していないことは間違いないでしょう。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong></font></p>
<p><br />*1 ARPA：Advanced Research Projects Agency（国防総省高等研究計画局）</p></font>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性（空間情報の活用）｜柴崎　亮介氏（東京大学）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/03/post-7.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.21</id>

    <published>2010-03-01T07:03:56Z</published>
    <updated>2010-03-04T03:24:10Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現在のインターネットに関する課題、将来のネ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現在のインターネットに関する課題、将来のネットワークに対する期待などにつき、都市空間の３次元マッピング、あるいは人やモノなどの移動や振る舞いの計測といった空間情報科学をご専門とされている、東京大学生産技術研究所の柴崎亮介教授（<a href="http://shiba.iis.u-tokyo.ac.jp/">紹介HP</a>）にお話を伺いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―先生のご専門分野について、現在のインターネットにはどのような問題があるとお考えでしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>柴崎</strong>　空間情報の活用を考えたとき、インターネットの問題としては、まず、すぐ近くにある対象物との通信を簡単に構築できない（大がかりな作業が必要になる）ことがあげられます。物理的に近くにある各種の機器やセンサーを簡単につなぐことのできるネットワークが求められているといえます。<br />　 つまり、機器やセンサーをただ膨大に接続できればよいというのではなく、利用者周囲の空間情報をリアルタイムに使えるようネットワーク上でデータ管理されていることが重要です。たとえば、衝突の危険のある場合やAED（自動体外式除細動器）を必要とするような緊急の場合など、自分の周辺の空間情報をリアルタイムで使いたいという要求は頻繁に生じますので、そのような要求に応えられるネットワークが必要です。</p>
<p>　このように、ネットワークには、各種の機器やセンサーが簡単につながれること、利用者周囲の空間情報をリアルタイムに扱えるようデータ管理されることが求められますが、これらに加えて「信頼して使えるネットワークであること」が不可欠です。安全・安心に関わる重要アプリケーションでの活用を考えたときには「信頼して使えるネットワークであること」は絶対的な条件ではないでしょうか。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―そのようなネットワークが実現したきには、どのようなサービスやビジネスが展開できると考えられますか？</strong></font></p>
<p><strong>柴崎</strong>　わかりやすい例としては、たとえば、火事が起きたときに火災報知器が「逃げて下さい」と警告するだけでなく、火元が自分のいる階の上か下かを教えてくれたり、適切な避難経路を教えてくれたりするサービスが考えられます。非常口が火の海になっている可能性もあるわけですが、そういうときに別の避難経路を教えてくれるわけです。<br />　また、AEDが必要になったとき、一番近くにあるAEDの位置と経路を即座に教えてくれるサービスというのもあるでしょう。AEDを使うような緊急事態には、自分の現在位置から最も近いAEDの場所とそこに至る経路の情報が最も重要です。このようなサービスが提供されることで、AEDそのものの価値も高まるかもしれません。<br />　ＩＴＳ（高度道路交通システム）の関係では、自動車と自動車との間だけの衝突防止にとどまらず、歩行者や自転車、周辺の建築物や設備までを含めた安全な交通システムの実現につながると考えられます。<br />　ここであげたような例は、いわゆる「ロングテール」の部分にあたります。つまり、個々には小さいけれど全体を積み上げると無視できないようなサービスです。こうしたサービスの実現を促すようなネットワークを実現できるかどうかが勝負ではないでしょうか。このようなネットワークを信頼して使えるのであれば、消費者や企業の方々はネットワークに対して追加的な対価を支払ってもよいと考えるかもしれませんね。</p>
<p><font color="#191970"><strong>―例えば航空機や衛星といった、国境を超えた空間情報の活用については如何でしょうか？</strong></font></p>
<p><strong>柴崎</strong>　航空機の管理制御、人工衛星、あるいは軍事関連の対象については、専用回線や衛星回線といった信頼性の高い特別なネットワークが使用されています。確かに膨大な投資をすればこうした性能のネットワークを実現することができますが、社会のインフラとしてのネットワークは、先ほどのロングテールに使えるものが不可欠と考えています。<br />　海外での利用という意味では、「インテリジェントなデバイスを外国に持って行ったら全然使えず、本当に不安だった」というのではいけないので、国際的な標準化や連携も重要ですね。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―新世代のネットワークを構築・実現していくうえで政府にどのような役割を期待されますか？</strong></font></p>
<p><strong>柴崎</strong>　技術標準化を含めて基本的な研究や調整は政府が中心的な役割を果たすことに期待します。機器間の互換性の問題など、民間だけでは調整が難航することも考えられます。<br />　なお、「日本発の技術で」ということにこだわり過ぎるのは得策ではないかもしれません。日本発を強調し過ぎると、他国から警戒され、技術が良くとも結局多勢に無勢で受け入れてもらえない可能性が高くなるからです。「海外発の技術」というと日本人が警戒してしまうのと同じ程度に、「日本発の技術」だと強調すれば海外が抵抗感を抱くことは自明のことですよね（笑）。<br />　日本発かどうかよりも「良いものを早く形にする」ことが重要だと思います。その結果として日本のものが使われる分野もあるでしょうし、そうでないところもあるでしょう。でも基本はみんなで作ると言うことです。作りながら合意形成ができ、同時に内容もよく分かるので、日本発のものが標準にならない場合でも十分準備をすることができます。</p>
<p><br /><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong></font></p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】新世代ネットワークの方向性（エネルギーシステム）｜エネルギー専門家（大学教員、匿名）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/03/post-4.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.20</id>

    <published>2010-03-01T06:22:30Z</published>
    <updated>2010-03-04T03:21:51Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務 現状のインターネットに関する課題、新世代ネ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<p align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務</p>
<p>現状のインターネットに関する課題、新世代ネットワーク（NWGN）への期待、ビジネスの可能性、産学連携のあり方などにつき、大学でエネルギー関係（特に電力網）の研究に従事するＡ氏（匿名希望）に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。（文中、敬称略）</p>]]>
        <![CDATA[<p><font color="#191970"><strong>―現状のインターネットを利用する際にどのような問題点や不安をお感じですか？ </strong></font></p>
<p><strong>Ａ氏</strong>　現在、スマートグリッドの構築を目指した研究がすすめられていますが、その普及を考えたときに、インターネットを利用することが考えられています。<br />　しかし、現在のインターネットは速度や安全に関する信頼性の問題があります。インターネットは安価に使用できますし、スマートグリッドの要件と言われる機器間の双方向通信、またはエネルギーの上流と下流の間の双方向通信も対応できますので、非常に有望な情報通信インフラですが、安全性に関しては将来も未知数であると思われます。<br />　また現状はベストエフォートサービスであるために、電力系統の緊急時等、情報を頻繁にやり取りすべき時の対応力に不安があります。スマートグリッドの普及のためには、安価で信頼性の高い情報通信ネットワークが不可欠です。 </p>
<p><font color="#191970"><strong>―既存のインターネットの課題を克服するような新たなネットワークが実現した場合に最も期待される社会経済的な効果またはビジネスチャンスは如何なるものですか？ </strong></font></p>
<p><strong>Ａ氏</strong>　安価で信頼性の高い情報通信ネットワークが構築されれば、スマートグリッドは大きく展開されると期待されます。<br />　スマートグリッドの実現は情報通信分野に大きなビジネスチャンスを提供する可能性があります。たとえば、電力分野ではサイバーテロ対策など安全性確保のために、一般の通信インフラとは別系統の通信インフラを追加して対応する可能性があると思いますが、インフラ整備の大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。 </p>
<p><font color="#191970"><strong>―将来のネットワークの開発と普及の実現に向け、産学官連携のあり方や前提となる制度改革につきまして、ご意見をいただければと思います。 </strong></font></p>
<p><strong>Ａ氏</strong>　需要家サイドに近い電力関係の双方向通信のインターフェイスについて、関係者間で早急に、国際市場をにらんだ規格を決めることが必要です。政府の役割は、その際の日本企業の旗振り役だと思います。そして、研究開発支援は安全性、安定性の確保についての研究に重点的に配分する必要があると考えます。 </p>
<p><font color="#191970"><strong>―質問は以上です。ありがとうございました。</strong></font> </p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】欧州における取り組み｜George D. Stamoulis氏（Athens University of Economics and Business）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/02/george-d-stamoulisathens-university-of-economics-and-business.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.19</id>

    <published>2010-02-23T10:03:25Z</published>
    <updated>2010-02-23T13:06:22Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務昨年11月に実施された「第2回日欧新世代ネッ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<div align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務<br /></div><br />昨年11月に実施された「<a href="http://www.prime-pco.com/nict-nwgn/events/2ndEUJsymposium/index_j.html">第2回日欧新世代ネットワークシンポジウム</a>」において、欧州側から報告者として参加されたAthens University of Economics and BusinessのGeorge D. Stamoulis教授に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。<br /><br />シンポジウムで同氏は"Achieving Win-Win by means of Economic Management of Traffic" というタイトルで、2008年から3ヵ年計画で始まった<a href="http://www.smoothit.org/">SmoothIT</a>プロジェクトの成果について報告されました。なお、SmoothITプロジェクトについては、同じく同プロジェクトのメンバーであるUniversity of WürzburgのTobias Hossfeld博士に対する取材結果もあわせてご参照下さいませ。<br /><br />今回Stamoulis氏からは、<br /><br /><ul><li>欧州におけるFuture Internet関連の学際的な共同研究の歴史</li><li>欧州において現在進行中の学際的な共同研究の事例<br />（計算資源の取引市場の設計、グリッド関連技術の経済モデルなど）</li><li>Future Internetに期待する経済社会的な効果</li><li>Future Internetに関連する研究領域で日本に貢献を期待する分野など</li></ul>に関する話しを頂戴いたしました。（文中、敬称略） <br />]]>
        <![CDATA[<br /><b><font color="#191970">―シンポジウムにおいては、経済学のインセンティブ・メカニズムの考えを応用してトラフィック管理を行う枠組みの紹介をされていました。欧州では、このように経済学を応用した学際的な共同研究は盛んに行われているのでしょうか?</font></b>

<br /><br /><b>Stamoulis</b>　欧州レベルのプロジェクトとして、いわゆる「ネットワークの経済学」に関する研究、あるいはトラフィック管理のために市場原理やインセンティブ・メカニズムを応用する研究（オークション理論の応用など）が開始されたのは1995年以降のことです。<br /><br />先駆的な学際的なプロジェクトとしては、欧州のACTS (Advanced Communication Technologies and Services) プログラムの下で実施された、<a href="http://cordis.europa.eu/infowin/acts/ienm/newsclips/arch1998/981099no.htm">CA$hMAN(Charging and Accounting Schemes in Multiservice ATM Networks)</a>というプロジェクトが挙げられます。<br />このプロジェクトにおいては、非同期転送モード（ATM）サービスの最適な課金・精算方法に関する研究がなされました。そこではQoSと課金の関係に関する研究も行われていたと思います。<br /><br />1999年になると、市場原理の観点からインターネットのリソース管理と課金の問題に取り組んだ<a href="http://www.m3i.org/">M3I (Market Managed Multi-Service Internet)</a>というプロジェクトが実施されました。このプロジェクトは、サービスの水準に応じて差別化された最適な料金設定のあり方に関する研究を行なうことを目的としていました。消費者の選択肢を増やし、トラフィックの混雑緩和にも貢献しつつ、同時にプロバイダにとってのビジネスの柔軟性と収益向上にも資するような課金方法の検討を行ったものです。<br /><br />2001年から始まった<a href="http://www.csg.ethz.ch/research/projects/mmapps">MMAPPS(Market Management of Peer-to-Peer Systems)</a>プロジェクトにおいては、市場原理（評判メカニズム）を応用しつつ、P2Pシステムに関する経済学モデルの構築を行い、P2Pサービスの管理を支援するソフトウェアの設計・開発・実験を行いました。<br /><br /><br />現在行われているSmoothIT(Simple economic Management approaches Of Overlay Traffic in Heterogeneous Internet Topologies)プロジェクトは、チューリッヒ大学のStiller教授がコーディネーターとなり、私が所属しているアテネ経済商科大学やドイツのダルムシュタット工科大学の研究者などが参加しています。プロジェクトメンバーには、先ほど紹介した過去のプロジェクトにも参加している研究者も多く含まれています。<br /><br />SmoothITプロジェクトにおいては、ISP、ユーザ、アプリケーション・プロバイダといった全てのステークホルダーが受益するような形で、ファイル･シェアリングやビデオ・オン・ディマンド関連のアプリケーションのオーバレイ・トラフィックの量を最適化するという、「経済的なトラフィック管理（ETM）」に関する研究を行なっています。各ステークホルダーのインセンティブ・メカニズムを分析するとともに、オーバレイとアンダーレイとの間に存在する情報の非対称性の問題を解消することで、そうした状況を実現することが出来ると考えています。<br /><br /><br />以上、欧州における取り組みの例を簡単にご紹介いたしました。このように欧州委員会のプロジェクトとして学際的な共同研究は数多く採択されてきており、近年、その頻度は高まっているのではないかと思います。<br /><br />

<b><font color="#191970">―ETM以外の分野で現在進行している学際的なプロジェクトをもう少しご紹介頂けますか？</font></b><br /><br />

<b>Stamoulis</b>　例えば、"<a href="http://www.trilogy-project.org/">Trilogy: Architecting the Future Internet</a>"という現在進行中のプロジェクトは、インターネットの制御アーキテクチャーの為の新しいソリューションを開発することにより、現在指摘されている制御関連の技術的欠陥を除去することを目指すとともに、そうした作業を通じて20年後のFuture Internetのための統一化された制御アーキテクチャーを開発することを目的としています。<br />このプロジェクトにおいては、そうしたアーキテクチャーが経済・社会的な要請、あるいはビジネス上の要請と合致しているかを多角的に評価していますが、評価にあたってはプロジェクト内部の経済学者や企業戦略の専門家のほか、外部の専門家も参加しています。<br /><br />また"<a href="http://www.gridecon.eu/">GRIDECON: Grid Economics and Business Models</a>"というプロジェクトでは、市場メカニズムの観点を取り入れつつ、オークションの考え方を応用し、計算資源を取引する市場の設計と開発が行なわれていました。（参考：http://www.gridecon.eu）<br /><br />最近終了した"<a href="http://www.beingrid.eu/">BEINGRID: Business Experiments in Grid</a>"というプロジェクトでは、グリッド関連技術に関連する経済モデルの構築、25の産業分野におけるビジネス上のニーズ調査、ビジネス･アプリケーションの開発などを行っていました。<br /><br />

<b><font color="#191970">―極めて多彩な学際的研究の事例を教えて頂き有難うございました。次に、先生が最も期待されているFuture Internetの経済社会的な効果とはどのようなものでしょうか？</font></b>

<br /><br /><b>Stamoulis</b>　オープンで、信頼性と信憑性のあるネットワーク環境が構築されることを期待しています。こうした環境が整備されてこそ、多様なサービス、情報、イノベーションを誘発することが期待されると思います。<br /><br />

<b><font color="#191970">―最後に、人的・技術的なポテンシャルを考えた場合、Future Internetのなかでも特にどのような研究領域で日本の貢献を期待したいですか?</font></b>

<br /><br /><b>Stamoulis　</b>日本による積極的な貢献が期待される分野はいくつかあると思います。例えば、WDM、フォトニクス、それらに関連するテストベッドでの実証研究などです。また、各種インフラの仮想化などについても日本からの貢献を期待したいところです。<br /><br />

<b><font color="#191970">―質問は以上です。有難うございました。</font></b><br />]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】欧州における取り組み｜Tobias Hoßfeld氏（University of Würzburg）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/02/tobias-hossfelduniversity-of-wurzburg.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.18</id>

    <published>2010-02-23T09:37:07Z</published>
    <updated>2010-02-23T13:06:42Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務昨年11月に実施された「第2回日欧新世代ネッ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<div align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務<br /></div><br />昨年11月に実施された「<a href="http://www.prime-pco.com/nict-nwgn/events/2ndEUJsymposium/index_j.html">第2回日欧新世代ネットワークシンポジウム</a>」において、欧州側から報告者として参加されたUniversity of WürzburgのTobias Hoßfeld博士に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。<br /><br />同氏は"Improving User's Quality of Experience for Overlay Applications"というタイトルで、欧州において2008年から3ヵ年計画で始まった<a href="http://www.smoothit.org/">SmoothIT</a>プロジェクトについて報告されました。<br />SmoothITプロジェクトにおいては、経済学におけるインセンティブ・メカニズムに着目し、ユーザー、ISP、オーバレイ･アプリケーション・プロバイダーの3者にとってWin-win-winな状況を同時にもたらすような、Economic Traffic Management (ETM)のあり方などにつき研究がなされています(総予算は437万ユーロ)。<br />とりわけ同氏は、理論的から導かれた望ましいトラフィック管理方法の有効性を実証するための、ファイル・シェアリングやビデオ･ストリーミングを用いた実証実験の結果(トラフィックや画質への影響)に関する報告を行いました。<br /><br />今回Hoßfeld博士からは、<br /><br /><ul><li>欧州におけるFuture Internet関連の学際的な共同研究の動向<br />（ネットワークの中立性、QoE、ネットワークのエネルギー消費、トラフィック・マネジメントの問題など）</li><li>経済学者とエンジニアとの間の共同研究の可能性<br />（仮想化ネットワーク導入時の各種価格設定問題など）</li><li>Future Internetを基盤とする社会に期待する効果</li><li>日本におけるNWGN関連の取り組みに関する印象など</li></ul><br />に関するお話しを頂戴いたしました。（文中、敬称略）&nbsp; ]]>
        <![CDATA[<br /><b><font color="#191970">―シンポジウムにおいては、経済学の考え方を応用しながらトラフィック管理に関する問題を解決する枠組みの紹介がなされました。欧州では、このようにFuture Internet関連の研究において、ネットワークやコンピュータ・エンジニアと社会科学者による学際的な共同研究は頻繁に行われているのでしょうか?</font></b>

<br /><br /><b>Hoßfeld</b>　もちろん、研究の進展の程度は個別分野により異なっていますが、ネットワークやコンピュータの専門家が社会科学者やその他の分野の研究者との間で学際的な研究を行うことの重要性は高まってきています。<br /><br />ひとつの例として、<b>ネットワークの中立性</b>の分野が挙げられます。<br />ネットワークの中立性とは、特定ユーザー、あるいは特定アプリケーションによって生ずるトラフィックに対して（料金上またはサービス上の）差別しない、という概念を意味しています。<br />これまでのところ、ネットワークの中立性を担保するための法制度は整備されていませんが、米国や欧州においてはこの問題に関する活発な議論がはじまっています。今後は立法化がなされる可能性も高いと思いますので、コンピュータの専門家と法律の専門家が共同でネットワークの中立性を担保することの各種影響を明らかすることが求められています。<br /><br />二番目の例としては、<b>Quality of Experience(QoE)</b>の分野が挙げられます。<br />QoEとは、特定のアプリケーションに関するユーザーの満足度のことです。この満足度は、アプリケーションやネットワークのサービスの品質のみならず、さまざまな技術的、非技術的な側面についてユーザーが抱く認識(Perception)、経験、および期待によって決まってくるものです。事業者が自社の競争力を維持・向上させるうえで、ユーザーが使い勝手、信頼性、品質、お買い得感をどう認知・評価しているかを客観的に理解することは極めて重要な手段となりつつあります。<br />ネットワークやサービスの提供者は、ユーザーが気付く前に、品質に関する各種問題を監視・解決することが求められていますが、QoEには技術的側面のみならず心理的な側面も関連しています。感情、感覚、期待、使い勝手、サポートの水準といった側面です。したがって、以前にも増して、心理学者とコンピュータの専門家が共同研究を行う必要性も増してきています。<br /><br />三番目の例として<b>エネルギー消費</b>の問題が挙げられます。<br />とりわけFuture Internetの時代においては、エネルギー・コストや環境問題に対処するために、エネルギーの消費に関して制約が課されることになると思います。<br />現在のところ、ネットワークのエネルギー効率性の研究は、センサー･ネットワーク分野に集中していますが、Future Internetの世界においては、もう少し広い文脈でこの問題に取り組む必要があると思います。すなわち、Future Internet利用時のエネルギー消費を抑制しつつ、洗練された方法で電力消費を制御するためにFuture Internetの技術を活用する、ということを同時に実現するというコンセプトです。<br />こうしたコンセプトに基づく検討は、シンクライアント(Thin client)に象徴されるような、ネットワーキングの新しいパラダイムにもつながっていきます。デスクトップ・マシンと比較した場合、通常、シンクライアントは僅かな電力消費しか必要としません。シンクライアントの利用が促進されれば、地球温暖化の問題を54%程度抑制させられるという報告を行った先行研究も存在します。加えて、シンクライアントそれ自体は必要最小限の処理しか行わないために、コンピューティング・サーバー･ファームにおけるコンピューティング・リソースの効率的利用が促進されることになります。<br />ただし、これらの仕組みを運用していく為には、極度に洗練されたエネルギー管理、ネットワーク管理の方法論が必要となります。より効率的な解決策を産み出すためにも、今後はコンピュータ・エンジニアとエネルギーの専門家によるコラボレーションが必要とされています。<br /><br />最後に、(今回シンポジウムで報告した)トラフィック管理の分野が挙げられます。今日、ネットワーク提供者やインターネット・サービス・プロバイダー(以後ISPs)にとって、オーバレイ・アプリケーションにより生ずる(P2P等の)トラフィックを如何に制御・管理するかということが大きな問題となっています。<br /><br />オーバレイを管理することの目的は、関係する複数のISPsの便益を最大化しつつ、各種障害に対応しながらネットワーク負荷を分散させることです。<br />ところが、伝統的なトラフィック･エンジニアリングは、(高品質な通信を実現するために）ネットワーク利用枠を最大化したいというオーバレイ・アプリケーション・プロバイダーのニーズ、それから利用時の満足度を最大化したいというユーザのニーズを同時に満たすうえで非効率な方法論でした。オーバレイ・ネットワークの多くが、下層の物理的なネットワーク要件を知らないまま展開されていたためです。<br />この結果として、不必要なドメイン間トラフィックが生じ、これがISPsにとっての追加的な各種コストの原因にもなっていました。現実問題として、ISPsはオーバレイ・ネットワーク・オペレーションに影響を与え、オーバレイ･トラフィックを制御することに大きな関心を示しています。<br /><br />欧州委員会のFP7におけるSmoothITプロジェクトにおいては、<b>Economic Traffic Management</b>(ETM:経済的なトラフィック管理)という新しい管理メカニズムを提唱しています。<br />オーバレイの構造がトラフィック量を決定付ける環境においては、その構造に関する情報に基づき、ISPs側がオーバレイのコンフィギュレーションに影響を与えるような仕組みを造ることが効率的な状況をもたらすというものです。<br />このETMは、先ほど申し上げたオーバレイ･アプリケーション・プロバイダーと下層のISPsとの間の相互作用において誘引両立性(incentive compatibility)が伴うメカニズム、つまり両者とも利己的な行動を取っているにもかかわらずWin-winな結果が生まれるようなメカニズムを提供するものです。<br />こうした分野においては、コンピュータ・エンジニアと経済学者やビジネスの専門家が共同研究することが求められています。<br /><br />

<b><font color="#191970">―ETMのほかに、Future Internetの分野において経済学者とコンピュータ･エンジニアによる共同研究が期待される分野というのはありますでしょうか？</font></b>
<br /><br /><b>Hoßfeld</b>　Future Internet関連技術の発展の過程においては、サービスやアプリケーションの提供を物理的なインフラから分離させるという、いわゆる<b>ネットワークの仮想化</b>に関する研究が鍵を握ると思います。<br />一般的に、仮想化のコンセプトとは「下部構造の詳細を隠す」という極めて抽象的な原理のことを言います。仮想化技術により、インフラ提供者が管理する物理的なネットワークを多様なサービス・プロバイダーが共有する、「複合共存仮想ネットワーク・アーキテクチャー（multiple coexisting virtual network architectures）」が実現するのです。<br /><br />仮想化により、運用上の責任の所在が明確化し、きちんと定義付けられたインターフェイスが登場することで、今日のインターネットと比較して遥かに安い運用コストを実現することが期待されています。<br />物理的なインフラ提供者は、サービスやアプリケーションから生ずる問題に対処する各種コストから開放されます。他方で、分離されたネットワーク（スライス）を運用する事業者は、単一の事業環境を容易に見つけることが可能となり、物理的なネットワークの構成を気にせず、自社が提供するサービスに関する運用に集中することが可能になります。<br /><br />サービスとインフラの更なるデカップリングが進めば、ISPの態様も今後大きく変わっていくでしょう。ネットワークのユーザは個別の仮想ネットワークを個別のトンネルのように認識し、自らの要求にあったトポロジーを選択する自由を得る一方で、インフラ提供者は各ノードにおける個別サービスを支援する為に各種リソースを投入する必要から開放されます。ネットワーク・アーキテクチャーの管理や再プログラムといった作業は、（インフラ提供者から）サービス・プロバイダー側へとシフトするのです。<br />これにより、サービス・プロバイダーはエンド･ユーザに対して、サービスに応じたエンド･トゥー･エンドな品質を提供することが可能となります。<br />これらの結果として、仮想化ネットワークの導入は、技術的なメリットのみならず、経済学的な観点からこれまでとは全く異なるビジネス・モデルや価格設定を検討する必要性をもたらします。<br /><br />さらに、経済学というよりはビジネスとしての視点ですが、<b>オンライン・ソーシャル・ネットワーク</b>も今日重要なトピックになりつつあります。Future Internetの文脈においても、ソーシャル･ネットワークはユーザに対して各種アプリケーションを販売する場、そしてウェブ･ワイドなソーシャル・ネットワーキングの場をもたらすでしょう。<br />現時点においても、こうしたサービスはユーザからの支持を得て、新しいビジネスモデルがインターネットの世界に入り込みつつあります。ソーシャル･ネットワークはユーザ･オリエンテッドなマーケティングや広告の為のプラットフォームになりつつあります。加えて、顧客の行動を追跡し、顧客の特性を考慮したビジネスを行うことも可能になるでしょう。<br /><br /><b><font color="#191970">―先生がFuture Internetを基礎とする社会に一番期待する点は何ですか?例えば社会･経済的な効果としては、どのような点が考えられますか?</font></b><br /><br />
<b>Hoßfeld</b>　あくまでも私見ですが、Future Internetの技術は様々な意味において生活の質の改善に貢献すべきだと考えています。将来のトレンドとしては、ネットワーク中心のコミュニケーションからユーザ中心のコミュニケーションへとシフトしていくでしょう。アプリケーションやサービスに関するユーザの満足度は、先ほど述べたような使い勝手、信頼性、品質、さらにはサービスやアプリケーションのお買い得感といったQuality of Experience(QoE)にますます依存していくと思います。<br />ソーシャル･ネットワークのような新しいコミュニケーション技術は、人々がお互いに関わること、新しいユーザ･コミュニティを形成すること、知識を共有化すること、自分のアイディアや意見をコミュニティに普及すること、直接連絡をとりあうこと、などを支援する為に存在すべきものです。コンテンツ中心のネットワークやセマンティックWebといったものも、こうした文脈において必要な情報を簡単に入手する際に極めて重要な概念となるでしょう。<br />Future Internet関連の技術で取り組まれるべき別の側面としては、エネルギー消費と持続可能なネットワーク、開放的でありながら、同時にユーザのプライバシーを尊重するようなセキュアな環境の提供、といったものが挙げられます。新たなイノベーションを誘発し創造性を刺激するためには、オープン･ソース、オープン・スタンダード、そしてオープン・アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)といった環境も必要になると思います。<br /><br />

<b><font color="#191970">―「日欧新世代ネットワークシンポジウム」において報告された日本側の取り組みについておうかがいします。日本政府の政策、あるいはNWGN分野における研究成果についてどのような印象を持たれましたか?</font></b><br /><br />
<b>Hoßfeld</b>　私は現在も日本の研究者と積極的に共同研究を行っていますが、シンポジウムではNWGNに関連する研究分野の幅の広さに感銘を受けました。例えば、東京大学/NICTの 中尾彰宏先生の報告によれば、将来のネットワーク・アーキテクチャーのためのネットワークの仮想化、あるいはその為のテストベッドが既に開始されているとのことでした。また、生体系から着想を得たという阪大の村田正幸先生による自己組織化ネットワークの研究にも興味を持ちました。<br /><br />

<b><font color="#191970">―最後に、日本の人的・技術的なポテンシャルを考えた場合、Future Internetのなかでも特にどのような研究領域で日本の貢献を期待したいですか?</font></b><br /><br />
<b>Hoßfeld</b>　先に述べたようなネットワークの仮想化や自己組織化ネットワーク・アーキテクチャーといった実証的の研究分野については、既に日本の貢献は大きいと思いますよ。<br /><br />
<b><font color="#191970">―質問は以上です。有難うございました。</font></b><br />]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【取材】欧州における取り組み｜Karsten Oberle氏（Alcatel-Lucent Deutschland社）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://forum.nwgn.jp/blog/2010/02/karsten-oberlealcatel-lucent-deutschland.html" />
    <id>tag:forum.nwgn.jp,2010:/blog//1.17</id>

    <published>2010-02-23T09:14:09Z</published>
    <updated>2010-02-23T13:07:02Z</updated>

    <summary>新世代ネットワーク推進フォーラム庶務昨年11月に実施された「第2回日欧新世代ネッ...</summary>
    <author>
        <name>サイト管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="取材" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://forum.nwgn.jp/blog/">
        <![CDATA[<div align="right">新世代ネットワーク推進フォーラム庶務<br /></div><br />昨年11月に実施された「<a href="http://www.prime-pco.com/nict-nwgn/events/2ndEUJsymposium/index_j.html">第2回日欧新世代ネットワークシンポジウム</a>」において、欧州側から報告者として参加されたAlcatel-Lucent Deutschland社のKarsten Oberle氏に取材を行いましたので、その結果を掲載いたします。<br /><br />同氏は"An Intelligent Service Oriented Infrastructure supporting real-time applications" というタイトルで、欧州で2008年から3ヵ年計画で始まった<a href="http://www.irmosproject.eu/">IRMOS</a>（Interactive Realtime Multimedia Applications on Service Oriented Infrastructures）という産学連携プロジェクトについて報告されました。<br />IRMOSプロジェクトにおいては、通信サービスの質を担保しつつ、双方向かつ大容量のリアルタイム・アプリケーションを走らせる為のService Orientated Infrastructure（SOI）の研究がなされています。<br /><br />今回Oberle氏からは、<br /><ul><li>IRMOSプロジェクト発足の経緯</li><li>産学共同プロジェクト組成の成功要因</li><li>IRMOSプロジェクトに必要な資金のファイナンス方法</li><li>IRMOSプラットフォームが実現した場合の潜在的な効果</li><li>日本におけるNWGN関連研究の取り組みなど</li></ul>に関するお話しを頂戴いたしました。（文中、敬称略） ]]>
        <![CDATA[<b><br /></b><b>―</b><b><font color="#191970">まずはじめに、シンポジウムで発表されたIRMOSプロジェクト発足の背景について簡単にご説明頂けますか？とりわけ、どのような経緯で産学共同のプロジェクトチームを立ち上げ、欧州委員会に対してIRMOSプロジェクトを提案するに至ったかについてお話頂けますか？</font></b><br /><br /><b>Oberle</b>　中心的なメンバーはIRMOSが発足する以前から互いに知り合いでした。2006年にフィンランドのヘルシンキにおいて「13th International Conference on Telecommunications」という国際会議が開催されたのですが、その際に、IRMOSプロジェクトの実現に向けた企画を欧州委員会に提出することにつきメンバー間で合意がなされました。<br /><br />

<b>―</b><b><font color="#191970">産学共同によるプロジェクト・チームの組成に成功した要因は何であったとお考えですか？</font></b>
<br /><br /><b>Oberle</b>　何と言っても、適切なタイミングで適切なパートナーや人材が見つかったこと、そして適切なタイミングで新しいアイディアに到達したことだと思います。<br />SOI（Service Oriented Infrastructure）、SOA（Service Oriented Architecture）、あるいはクラウドや仮想化といった分野の研究が進むにつれ、自分達の研究内容がこうした研究分野の中心的な研究課題と関連していることが明らかになってきています。3年前の我々のアイディアが素晴らしいものであったことを今では確信しています。<br />もうひとつ、IRMOSにはベンダーやオペレーターといった民間企業（含む中小企業）とアカデミアの双方が参加していますが、コンソーシアムの構成主体が11と比較的小規模であったことも成功要因として挙げられるかもしれません。<br /><br />

<b>―</b><b><font color="#191970">プロジェクトのファイナンス方法についてお訊ねします。シンポジウムでは、IRMOSにかかる総予算（1,260万ユーロ）のうち、欧州委員会による支出負担は790万ユーロであると報告されていました。残りの予算は誰が負担しているのでしょうか？</font></b>
<br /><br /><b>Oberle</b>　民間企業が支出する経費については、その半額は欧州委員会からの資金で賄われていますが、残りの半分は参加企業自身で負担しています。アカデミアが支出する経費については、定かではありませんが、恐らく75～100%は委員会からの資金で賄われていると思います。<br /><br />

<b>―</b><b><font color="#191970">IRMOSのWEBサイトを拝見しますと、IRMOSプラットフォームが実現した場合に期待される活用例として、ネットを介した複数人によるデジタル映画編集、仮想現実・拡張現実、遠隔教育といったキーワードが挙げられていました。こうした分野のほかに、IRMOSプラットフォームの実現により、どのような社会・経済的な効果があるとお考えですか？</font></b>
<br /><br /><b>Oberle</b>　これら3つの分野は、あくまでもIRMOSの概念とプラットフォームを外部に提示するための例として紹介しているものです。実際には、双方向でリアルタイムな通信が要求されるアプリケーションに特化しつつ、ベスト･エフォート方式による低品質な要求しか求められないアプリケーションから、高品質なQoSが求められるアプリケーションまで、あらゆる種類のアプリケーションに対応可能な一般的（generic）なインフラストラクチャーになると考えています。現在、プロジェクト・メンバーにより、将来登場するであろうプロダクツやソリューション・サービスにおいてIRMOSを最大限活用する方法を特定する作業も行っているところです。<br /><br />

<b>―</b><b><font color="#191970">最後に「日欧新世代ネットワークシンポジウム」において報告された日本側の取り組みについておうかがいします。日本政府の政策、あるいはNWGN分野における研究成果についてどのような印象を持たれましたか？</font></b>
<br /><br /><b>Oberle</b>　私にとってはServiceに関するセッションが最も印象深く、日本側からコンピュータやネットワークの仮想化へのニーズに関する報告が多くなされたことは非常に興味深いことでした。また、日本における取り組みと欧州における取り組みには研究分野という意味において多くの共通点が見られたことから、多くのコラボレーションのチャンスがあることも認識しました。シンポジウム以降、すでに日本側との間で少しずつ情報交換も始めているところです。<br /><br />
<b>―</b><b><font color="#191970">質問は以上です。有難うございました。</font></b><br />]]>
    </content>
</entry>

</feed>

